進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

087 世界観② 自由意思

 

みなさんこんにちは。

 

121話を取り上げるにあたって誰が読んでもすぐ分かる記事が書ければ理想なのですが、私には土台無しで簡潔に語るのが難しくなってきました。そのため過去記事を前提とした閲覧注意とさせていただきます。あと今回はラストあたりの言及があります。万が一その通りになってしまったらごめんなさい。


!!閲覧注意!!
この記事は 生命-I から始まる一連の記事の他、当ブログの過去の記事をご覧いただいていることを想定して書いています。最新話のみならず物語の結末までを含む全てに対する考察が含まれていますのでご注意ください。当然ネタバレも全開です。また、完全にメタ的な視点から書いてますので、進撃の世界にどっぷり入り込んでいる方は読まない方が良いかもしれません。閲覧に際してはこれらにご留意の上、くれぐれも自己責任にてご覧いただけますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

この記事は最新話である121話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。注記の無いものは全て121話からのものです。(扉絵は28巻112話より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[自由意思]

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前回予告した通り自由意思の話でございます。とってもややこしいのでできれば触りたくない部分なのですが、避けては通れぬようで・・ちなみに、ちょうど121話で当初の想定より膨らませることができました(膨らみすぎてあらぬ方向にいってしまいました。)

 


さて、自由意思の有無に関してはかなり大昔から議論が紛糾しているようです。意見の対立があるとは言っても、科学の領域ではおおむね「無さそう」という見方が強いようですし、近年に至っては脳科学の発達によってそれを後押しするような材料が次々と出てきているそうです。でもそこに倫理や道徳、あるいは信教的なものが絡んできて話がややこしくなっているように見えます。

 

ところで・・自由意思ってなんですか?


同じパターンの書き出しを使ってすみません。でも意外と曖昧な部分があるように思いますので、まず自由意思ってなんなのかを定義付けしておきたいと思います。

とは言いながらも、普通に考えれば「自分の好きなように思い、考えられること」といった感じですよね。そのまんまなんですけど、ひとつ抑えておきたいのが「行動」じゃないんだってことです。行動が思ったことと連動している感じなのは誰の目にも明らかでしょうから、行動よりも前段階の「思う」ことが自由であるかどうかが焦点になってくるわけです。

それからこの場合の「自分」というのは、今現在これを読んで考えている自分、すなわち一般的に自我とか意識と呼ばれているものになるでしょう。であるならば、進撃でも抑圧をはじめとした防衛機制なんかが出てきますが、防衛機制は無意識によって意識の思考の方向を定められていることだと捉えれば、すでに意識の自由性を否定するひとつの具体例になっていたりします。防衛機制なんて知らない方もいるでしょうし、それが発動していても私たちの意識は気付きません。知らないし気付かないけど、どうもそんな感じの機能があるようで、私たちはその無意識の作用に従ったパターン化された思考をする傾向があります。つまり、意識は自分で考えていると思っているけど、実は無意識にそう考えるようにさせられている場合があるらしいことが分かっているのです。

さらに、先ほど「無さそう」という書き方をしたのですが、これは100%無いことを証明することが困難だからです。もちろん人間の脳にはまだまだ未知の部分がたくさんあり、自由意思が存在する証拠が一つでも見つかれば全てはひっくり返ります。科学者の中にはその証拠を見つけてやろうと日々研究されている方もたくさんいらっしゃることでしょう。ですが、その”たったひとつ”の証拠が見つかっていません。存在することの証明はひとつでも証拠があれば成されます。たったひとつ見つかりさえすれば、「自由意思はあるか否か」なんて論争はこの世からとっくに消滅しているはずなのですが、そうなっていません。つまり今のところは「無さそう」と言えるわけです。

 

雑ではありましたが実際の自由意思の話ってのはこんな感じです。では進撃の話をしていきましょう。

 

 


さて、なんでこんなめんどくさい話をしなければならなくなったかといえば、こやつが言い出したからです(28巻112話)

 

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-オレが何をしようと
-何を選ぼうと
-それはオレの自由意思が選択したものだ

その直前にも「オレは自由だ」とか、ミカサとアルミンに対しても自由だ不自由だと繰り返してらっしゃいました。そもそもアルミンは(28巻112話)

 

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-ただエレンの考えていることを知りたかった…
-どうして単独でマーレ襲撃に至る選択をしたのか…
-本当に…ジークやイェレナに懐柔されてしまったのか…

こう聞いただけでした。アルミンの言っていたことを超訳すれば「君はジークたちに操られて独断行動をしちゃったんじゃないの?」といった感じでしょうか。普通はこう答えるんじゃないかと思います。

 

「オレは懐柔されて(操られて)なんかいねえ」

 

オレは自由だ、という返しは少しズレている感じがありますよね(28巻112話)

 

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 そりゃミカサもアルミンも驚くわけです。112話の時も書きましたが、イライラしながら自由に関する言葉を繰り返しているあたりは、自分が自由であるかどうかに不安な部分があると捉えるのが自然だと思います。果たして121話で自由じゃないことが明らかになりましたが、そこはいったん置いといて、少なくともエレン自身は自分が自由だと思っている、もしくはそう思いたいわけです。そして同時に、ミカサやアルミンに対してもそうでしたが、自由じゃない(とエレンが思う)相手を少し見下している風があるようです。少し毒のある言い方をすれば、「お前らは不自由だな。オレは違うけどな」みたいな感じでしょうか。

 

 自分だけは違うと思っている、思いたい

 

あれ?以前の記事でも似たようなことを書いた覚えが・・(20巻80話、18巻71話)

 

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-何で… 自分だけは違うって…
-思っちまったんだろう…

 

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-世界がどれだけ広いかなんて考えたこともないだろ?
-だから幸せでいられる
-私は違うがな

ああ、確かにキースなんかは前団長を含め見下しまくってました。同じ穴のなんとかってやつかもですね。


なにはともあれ、今回ジークにもこう言い放ちました。

 

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-死んだ父親に囚われたままの哀れな男だ

084 ジークの場合 で書きましたが、ジークの全ての根源は父に認めて欲しかったことでした。それが叶わなかった裏返しで父を憎み、反発するような行動に向かっていきました。エレンがここまで冷静に分析できているとは思いませんでしたが、ともかく彼はそれを哀れだと表現しています。何かに囚われて不自由だから哀れだと。

 


ところでジークの根っこにあったのは父への想いだったわけですが、もちろん本人はそれをはっきり分かっていたわけではありません。より正確に言えば、”本人の意識は”根っこを知らなかった、ということです。そういう意味ではエレンの言っていることは的確で、ジークの意識は知らない間に無意識によって父親を憎まされたり、そこから転じて安楽死を望むように向かわされたわけです。無意識の言いなり。ジークの思想が自由意思によって成されたとは言い切れない感じになってきます。

さらに言えば、意識はそんな裏事情があるとは知りませんから、自分の思想は”正しい”考え方をした結果導き出されたものとして定着してしまってるようです。

 

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-お前は父親に洗脳なんてされていなかった…と
-だとしたら、なぜお前は俺を裏切った?

ジークは自分が父に洗脳され、クサヴァーさんのおかげでその洗脳から抜け出せたと思っていますよね。そして抜け出した結果、みんなの平和のためにエルディア人は安楽死するべきだという思想に至ったわけです。そして今回、エレンは最初から洗脳なんてされてなかったことを知りました。それでも彼は上記のように、それならなんで俺を裏切ったんだと考えるんです。なんか変ですよね?

 

つまりジークの理屈では、一度洗脳されてようが無かろうが、洗脳にさえかかって無ければ安楽死の考え方に辿り着くのが当たり前のように思っているんです。こうやって書けばなんか偏った感じを受けるかもしれませんが、ジークからすれば誰だってそう考えて当然だろう、ということなのです。

 

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-この父親の行いが息子を目覚めさせ
-エルディアの危機から世界を救うのだから

しかもそれはもはや父親とのあれこれとは切り離されていて、自分がこの正しい考え方に辿り着けたのは悪い父親のおかげだとまで言い始めました。でも実際は父への反発という歪んだ土台から生まれた考え方でしかなく、最初から安楽死という”絶対的に正しい考え方”がどこかに存在していてそれを見つけたわけではないのです。そうやってスタート地点がズレているわけですから、その辿り着いた先が他者から見れば偏って見えるのも致し方のないことでしょう。それでもジークにとってはそれが”正しい”ことなんです。

これが私たちが感じる”正しさ”というものの正体なのかもしれません。自分が当たり前に正しいと信じていることは、他者から見ればずいぶんと偏って滑稽な自分だけの思い込みに過ぎないのかもしれません。また世界の誰にとっても当たり前の正しさだと感じていることも、実は世界の真理でもなんでもなく、根源を辿ればなんらかの個人的な感情の裏返しであったりするかもしれません。そんな個人的なものでしかない考えを、私たちは誰もがそう思うであろう絶対的に正しいことのように錯覚したりして主張します。「これが正しいのは当たり前だろ」と。

そして自分でも気付いていないなんらかの感情に突き動かされているということは、何かに背中を押されて考え、行動しているということです。言ってしまえばその感情とか過去の記憶に操られていると言っても過言ではないように思います。そういう意味でも私たちの意識というのは本質的に自由ではないのかもしれません。

 

 


それでもエレンはこう言います。

 

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-オレは…
-生まれた時から
-オレのままだ

最初から今まで、自分はそんなものに囚われていない。自分はジークとは違って、自由なんだと。

 

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-他人から自由を奪われるくらいなら
-オレはそいつから自由を奪う

子供の頃から、生きるため、自由であるために戦ってきたんだと。そのためなら他者を殺すことも厭わないんだと。

 

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-父親がオレをそうしたわけじゃない
-オレは生まれた時からこうだった…

お前と違って父親に何かをされて、それに囚われて動いてるんじゃないんだと。

 

 


オレは自由なんだ、と言います。

 

 

”自分だけは違うんだ”と・・・

 

 

エレンだけは違うのでしょうか。

 

 

 

-お前は自由だ
(??巻???話)

 

 

ああ、結局、エレンも幼少期に無意識に刷り込まれた言葉に囚われて行動していたんですね、という話なんじゃないかと思います。

少し科学的根拠は薄くなるのですが、言葉も分からない頃に吸収した情報なんかはその後の性格形成なんかに多大な影響を及ぼしていると考えられます。胎教なんて正にその経験則でしょう。本人は物心ついたってそんなこと覚えているはずもありませんが、その影響が残るようだという実績があるから今もされているわけです。それはつまり意識は知らないけど無意識にはちゃんと残っていて、それが影響を与えているということです。誰もが自分の知らないところで、そういったものの影響を受け続けているんです。ジークやエレンだけでなく私たちの自由意思もあやしくなってまいりました笑

ともかく、グリシャの言葉が土台となってエレンは「自由でなくてはならない」考え方になったのかもしれません。であれば確かに「呪い」と言っても過言ではありません。とはいえグリシャは別に悪気があったわけではなく、平和な壁内で自由に生きていって欲しいというごくごく普通の願いであり「夢」を口にしただけでしょう(18巻71話)

 

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-貧富の差こそあれどこの壁の中は平和なんだな…

彼は壁内のことを決して悪いものだとは考えていませんでした。父の願い通りというか、実際エレンは退屈ではあっても不自由さなんて感じずに暮らしていたんです(23巻94話)

 

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-何か起きねぇかなぁ…

不自由さを感じない、つまり自由に生きていたんです。やがて彼が自由を渇望し、自由を奪われていることに怒りを覚えるようになるのは、不自由であることを”知った”からです(18巻73話)

 

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-そこで初めて知ったんだ
-オレは不自由なんだって

つまり彼が自由の身から不自由の身に変わったのは、”知った”ことが原因です。そんな彼は後にこう言っています(28巻112話)

 

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-無知ほど自由からかけ離れたもんはねぇって話さ

そうでしょうか。これもエレン独自の”正しさ”であって思い込みなのかもしれません。無知であった頃のほうが心は自由だったようです。知ってしまったからこそ不自由だと思うようになったのであって、しかもその不自由を解消するという目的のために動く、つまり何かに背中を押されて動かなくてはならないという更なる不自由さまで獲得してしまったんです。

 

じゃあ知らなければ不自由だったとしても自由なのか、みたいな疑問が湧くかもしれません。

これはなんとも言い難いですが、高い知能を持たないほとんどの生物が「不自由を感じていない」のはほぼ間違いないと思います。自由だ不自由だと考えるのは知能が発達し、自我や意識が芽生えたからこそです(4巻14話)

 

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-オレが!!
-この世に生まれたからだ!!

ならば自我や意識が生じた以上、自由を求めて戦うことは当然のことだ、ということなんだと思います。それが「原初的欲求」であり、進撃やエレンの行動原理であるということでしょう。

やはり失楽園なんですね(2巻5話)

 

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-イヤ…違う…
-地獄になったんじゃない
-今まで勘違いをしていただけだ
-元からこの世界は 地獄だ

知ったからこそ自由でなくなり、自由を求めて憎しみ合うことをしなくてはならなくなった。知らなければ自由な楽園のように感じられたはずなのに、知ってしまったから地獄であることを理解してしまった。そもそも知ることができるようになったのは、知恵の実、つまり知能が発達して自我を獲得してしまったからです。

であれば不自由であることを知らない方がいいだろうというのが壁の王の思想であり理想郷の考え方だったんでしょう。それをもう少し過激にして知能もろとも全て無くなってしまえばいいってのがジークの思想ですね。そうやって考えてみると、ユミルの民の知能が契約によってもたらされたのであれば、物語の結末として知能を失うというのも考えられなくはない感じがします。それが無垢の巨人なのか、なにか動植物のようなものなのかは分かりませんが。

 

でも、なくはないと控えめな言い方をしたのは、アルミンがこう言っているからです(26巻106話)

 

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-でも時間をかけて肩書を抜きにして
-人同士 向き合えば…

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-きっとわかり合える

知能があるからこそ分かり合える可能性があります。それと進化の集積によって生まれた知能を否定することは、やっぱり生命の原則のようなものに反する気がしてなりません。「生まれてこなければ良かった」なんて知能が言っているなら、「そんなことないよ」ってこの作品は言うんじゃないかと思うんです。そして知能を保持したまま分かり合おうとするのならば、アルミンも言っている通り「人同士」、つまり人間と変わらない存在になる必要があり、道との結びつきを閉ざすという形になるのかもしれませんね。

 


そんなわけで121話の話をしていたらいつの間にか全体やラストの話になってしまい、時空とか世界観の話が吹っ飛んでしまいました。長くなったのでそれはまた次回に。

 


つづく

 

 

 

 


あ、補足ですが最後にアルミンの言葉を突然取り上げたのにはこんなわけがあります。

 


今回、未来の継承者の記憶を見ることができるのは進撃の巨人だけの特性だと判明しました。エレンの後の継承者が見えてなさそうだからエレンが最後かもですし、なんかガビが干渉している感じもありますからもしかしたら、という感じもありますよね。

 


ところで、私は今まで未来の記憶を見られるのは”知性巨人の特性”ではないかと推測していました。

残念ながらそれは間違ってて進撃だけの特性ということでした。残念とかそんなことはどうでもいいんです。なぜそう推測していたかと言えば、10 知性巨人の器 などをお読みいただければ分かりますが、後にそれぞれ知性巨人を継承するエレンとアルミンが未来を見たかのようなことを言っていたからです。


もう一度繰り返してもいいですか?


エレンと ”アルミンが” 未来を見たかのようなことを言っていたからです(1巻1話、8巻34話)

 

 

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-100年 壁が壊されなかったからといって
-今日壊されない保証なんかどこにもないのに…

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-少なくとも100年間ずっと立ちっぱなしだったから…
-そろそろ散歩でもし出すと思うな…一斉に

 

未来を知ることができるのが知性巨人全部ではなく、進撃だけの特性なのであればもごもごもご・・

 


いや、今さら口を濁す意味はないですね。要はアルミンが進撃を継承する可能性がかなり高まったということです。そうなればアルミンはエレンが何を考えていたかを知ることにもなります。エレンは自分は自由だと思い込みながら、進撃の巨人という記憶の集まり、継承者たちの総意みたいなものに突き動かされています。あるいは未来の自分もそこに含めてもいいかもしれません。それは言ってみれば操られていたということです。

 

実はすでにそのことも、アルミンはぼんやりと感じ取っていたのかもしれません(28巻112話)

 

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-…どっちだよ
-クソ野郎に屈した奴隷は…

たぶんこれ、進撃の巨人という名のクソ野郎の奴隷ということじゃないかと思います。

 

 

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-まさかあんな…
-恐ろしいことになるとは…

もしこの仮説通りに進むのであれば、グリシャが今回言った恐ろしいこととは、我が子エレンが唯一の親友に食われるということも同時に意味しているかもしれません。

 


そしてそして、エレンもなんとなくかもしれませんが、そのことを分かっているのかもしれませんね(21巻84話)

 

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-人類を救うのはオレでも団長でもない!!
-アルミンだ!!

 

 

 次回に続きます。

 

 

 

 

 

 


-ちょいホラーなおまけ-


※精神に自信の無い方は読まない方がいいかもしれません。

 


自由意思に関して胎教の話を例に挙げましたが、もっと誰でも身近に感じられる例をひとさし。

 

 

判断。

 

私たちは常日頃から、あらゆるものを自分にとって良いか悪いかを判断しながら生きていますよね。もし仮に世界が分岐しているとしたなら、その選択は私たちの判断によって行われているはずです。

 

 

ところで、私たちは自分の好きな物や人に”後付けで”いろいろと理由を付けたりします。

たとえば、それを見ると楽しいから、一緒にいると安心するから、などなど。


その次に、じゃあなんで自分はその楽しい感覚を良いと感じるのか、なぜ安心する感じを良く思うのかと掘り下げていってみます。

何かが出てきたら、なぜそれが良いのかを考えていけばいずれ辿り着くと思います。

というか、どちらかというと答えが出なくなってくると思います。うーんうーんって考えてこんな感じだろうってなるなら、もともと理由を持ってなかった、つまりなんとなくってことですよね。ですので”後付け”と書きました。これは嫌いな物におきかえても同じです。

 

結局、根源は「そういう感じがする」というだけでしかないんです。


好きとか嫌いというのは、自分にとって良いか悪いかという”判断”です。その良いか悪いかの判断がなんとなくで決められています。じゃあなんとなくって何だよって聞かれても、少なくとも意識からは見えない、分からないものなので説明できないのです。科学的に言えば、心地よい/心地よくない 感情を想起される記憶の結びつき、あるいは脳内物質の多寡とかでしょうか。

 

私たちの好きなものというのは、私たちの無意識が意識に「好きだ」と感じさせているものでしかないのかもしれません。

 

私たちの意識による自由な意思、ありそうですか?

 

実は私たちの思考は全て無意識に牛耳られてるのかもしれません。ちなみに私は今まで無意識をもう一つの人格みたいな擬人化した感じで書いていますけど、実際はもっと機械的というか生体反応とでも言う方が近い感じのように思います。私たちは超ハイスペックなロボットのようなものかもしれませんね。

 

 

・・でもまぁご安心ください。仮に私たちの意識に自由意思が全く無かったとしても、私たちは自分で考えて行動していると思い込みながら生きていけるようにできていますから。

 

 

 

-おまけおわり-

 

本日もご覧いただきありがとうございました。

 


written: 11th Sep 2019
updated: none