進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

080 物語の考察 サルでもわかるヒトの業(第87話 境界線①)

 

みなさんこんにちは。

 

 

この記事はグロス曹長様を讃えるものであります。

 

 

 

この記事は最新話である118話までのネタバレを含んでいるかもしれません。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。注記の無いものは全て22巻87話からのものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[サルでもわかるヒトの業(第87話 境界線)]

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グリシャ・ノートの書き出しは、このように始まっています(21巻86話)

 

 

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-私は まず何から語るべきか考え
-あの日を思い浮かべた
-この世の真実と向かい合ったあの幼き日を

壁の外へ出て妹を失うことになった「あの日」、それが彼にとって全ての始まりの日だったことは間違いありません。でも、彼が本当の意味で「この世の真実と向かい合った」のは、あの日ではなくこちらの日ではないかと思います。

 

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というのも、彼が後にノートに書くことになる「世の真実と向かい合う」という表現はおそらくここから来ているからです。

 

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-なぜならこうやって残酷な世界の真実と向き合い
-理解を深めているからだ

彼はこの日、グロス曹長様のありがたいお話を聴くことで学んだのです。「教育」を受けた、と言い換えた方が面白味が増すかもしれません。

 

 

 

 

 

 


全国一億万人のグロスフリークのみなさま、たいへんお待たせしました。今回ようやく、グロス様の数多の御言葉を拝聴し、ありがたく噛み締めさせていただく記事を書くことと相成りました。

グロス様といえば言わずもがな、進撃界随一の正直者であり世界の理を知る御方として有名ですが、世間にはまだまだその御心を理解するに至らない者が数多くおります。グロス様は世界を救う神でありますので、罰が下ることでしょう。されどささやかながらここに、グロス様による救済を広めるためその偉業の数々を記すものであります。

 

 

それではお言葉を拝見する前に、まずは一つの誤解について話しておきましょう。

 

グロス様は”因果応報”という文脈で語られることが多いように思います。しかしながら87話で描かれている”因果応報”はグリシャ・イェーガーのものがほとんど、というのが実際のところです。なぜなら境界線で起こった出来事の全ては、グリシャ・イェーガーが自ら招いたことですから。

 

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-なぜ… ここに?
-伝わってないのか?

なぜここにダイナがいるかと言えば、グリシャ・イェーガーが失敗したからです。揉み消したとかなんとかいうのは、その上での些細な違いにすぎません。巨人になるかマーレ軍に利用されるか以前に、グリシャが失敗しなければダイナは初めからここに来ることはなかった、それが事実です。

 

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-みんなあぁ やめろおぉぉ!!
-グライスだ!! わからないのか⁉

無垢巨人だから分からなくて当たり前です。彼らは望んでグライスを追っているわけではありません。巨人を見るのが初めてだから? グリシャはエルディアや巨人の真実を知っている、はずだったのでは。

そして彼らが望まずして無垢巨人になった原因は、グリシャ・イェーガーが失敗したからです。

 

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-8歳の妹を犬に食わせたのは!!
-お前だろ!!

そうなった根本の原因は、グリシャ・イェーガーが壁を出るという失敗をしたからです。壁さえ出なければ妹が犬に食われることはありませんでした。


これらは揺るがしようのない事実です。もちろんグリシャだけが悪いとか言っているわけではありませんので誤解なきよう。各人の行動はそれぞれの責任です。ですがグリシャの視点から見た場合、彼自身の行動がこの結果の全てを招いたというのは、本人が後に語っていることからも明白だと思います。

でも上に挙げたグリシャの言葉を見るに、それぞれの事柄ごとに他に責任を求めているようなニュアンスがあることにお気付きになりますでしょうか。はっきり言ってしまえば”その場しのぎの言い訳”とでも言いますか、この時点で彼はまだ”自身の罪”というものと正面から向き合っていないのだと思います。もちろん誰でもそういうところがあると思いますので致し方のないことではありますが。

 

 

そんなグリシャに、ファルコの叔父であるグライス氏はここぞとばかりに核心を突く言葉を叩きつけます。

 

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-お前の息子だろ⁉
-どういう躾をしたら親を売るガキに育つんだ⁉
-お前に問題があったんじゃないのか⁉

これは本当にその通りで、グリシャ・イェーガーに問題があったんです。

 

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-……お前は!! 調子がいいだけの役立たずだったな!!
-お前にすべてを託したのが間違いだったんだ!!
-復権派も!!
-ダイナも!!

おそらくこちらはグライスの心の中にほんの少しずつ引っかかっていた事柄のようです(21巻86話)

 

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-…?
-では なぜ真実がわかった?

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グライスは特別で美人なダイナをまんまと掻っ攫っていったグリシャに、ほんの小さな不満を覚えていたのかもしれません。また古文書を勢いだけで解釈したことに小さな引っ掛かりを持っていたかもしれません。当時の彼には選択肢があり、本当にその解釈が正しいのか問うこともできたはず、自分がダイナとくっつくよう努力することもできたはず。でも彼はそれをしませんでした。エルディア復権のためならと、心の奥深くにしまいこんでしまったのかもしれません。ダイナや復権派がまるで自分のものであったかのような言い方からも、心の中にそれがわだかまっていたことが窺えるように思います。

自らが死から逃れられないことを悟った時、その小さな不満が一気に噴出したんでしょうか。なぜ自分は死ななければならないのか、自分の選択が間違っていたのか、いや・・

要はグリシャと同様、自分の失敗を認めることができずにその責任を他者に求めたかったのだろうと思います。そしてそこには恰好の材料として隙だらけのグリシャの行動があったということでしょう。でも実のところは、自分がその時選択しなかったこと、すなわち失敗したと感じていることを「託した」という綺麗な言葉で誤魔化しているに過ぎないと思います。


自身の罪を認めるというのは心にとって非常に大きなストレスです。だから人は無意識の内にそれを回避しようとしてしまいます。本当は心の奥底では分かっているんです。分かっているからこそ、なんらかの理屈をつけて覆い隠そうとします。エルディア復権のため、祖先の汚名を晴らすため、同胞、仲間、信頼などなど・・あらゆる”きれいごと”を駆使して、自分自身をも誤魔化していきます。

でも自分の失敗を隠すのに都合が良いだけの取ってつけたような理屈なので、筋が通ってなかったりすることがままあります。グリシャも痛いところを突かれた後でさすがに言い返せませんでしたが、もっと普通の状況であったなら「今さら何言ってんだその時言えよ、託したとか思ったのはお前の勝手だろ」みたいな話でもあると思います。痴話喧嘩とかでよくあるシチュエーションですね笑

 

 

その点においてグロス様は凡人とは異なります。

 

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-おっ次は女か
-もったいねぇ
-悪魔の血じゃなきゃなぁ…

あの御方は何でも包み隠さず、つまびらかに私たちに語りかけてくださいます。あの御方の正直さとは、嘘をつくつかないといったものとは次元が異なります。自らの罪もなんのその、普通の人が目を逸らし決して口にすることは無いような人間の汚い部分を易々と言葉にしていきます。”自分がなにゆえそれをするのか”ということに真正面から向き合って言葉にしている、と言ってもいいかもしれません。自身の悪い部分や汚い部分をしっかり理解して認めていらっしゃるんです。自己欺瞞しながら正義の味方を気取っていたグリシャやグライスとは比べるべくもありません。

 


グリシャは問いました。

 

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-何で……
-こんなことをするんだ?

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あまりに愚問すぎて、グロス様が驚くのも当然のことです。それでもちゃんと答えてくださるあの御方のなんと心優しきことでしょう。

 

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-面白い… からだろ?

これはそのまま進撃の読者に刺さる言葉として有名なので、説明の必要もないでしょう。まさに金言というほかありません。

「人は残酷なものが見たい。そしてそれを面白いと感じる」

もちろんそういうのが嫌いだという方もいることでしょう。でもそんな方こそ、よりお気付きのはずです。この世にどれだけ残忍な描写の映画やドラマ、物語などがあふれかえっていることか。これは否定しようのない事実だと思います。そして趣味や余興として狩りをしたり、釣りをしたり、虫を捕らえたりするのが人間です。何の罪もない生き物たちの生涯を強制的に終わらせているのです。笑顔で、楽しみながら。

 

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-…かわいそうに
-エルディア人でさえなければな……

慈悲深いグロス様は、相手がエルディア人だからこうしているとおっしゃっています。生き物が自身に危害を与えるものを排除しようとするのは当たり前のこと、どんなちっぽけな生き物だって行う本能的な行動です。

 

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-家に棲みついたネズミを放置すれば
-深刻な伝染病を招く恐れがある
-ならば当然 ネズミは駆除しなければならない

グロス様はネズミを例に挙げましたが、考えてみればネズミなんてよほど可愛いもんです。当たり前ですがネズミには通貨の概念も無ければ、店という概念もありません。だから生きるために必要な食糧をそのへんを探しまわって食べる、ただそれだけ。生物として至って当然のことをしているだけです。さらに人間を見かければ危害を加えるでもなく必死に逃げまわります。なんて慎ましい生き物なんでしょう。伝染病だって悪意があって運んでるわけではありません。彼らはただ生きようとしているだけなのです。

生きる目的以外の理由で生き物を弄り殺すのは地球上で人間だけではないでしょうか。しかも動物だけにとどまらず、あろうことか人間は同じ人間をも生存には関係のない理由で殺したりもします。

例えば、今でこそスポーツとして健全な体になっていますが、ボクシングはもともと奴隷同士に殺し合いをさせ、それを高見から見下ろして楽しむものだったそうです。自分には危害を加えようもない、あまつさえ同じ人間をも楽しみながら痛めつけ、時に殺す。それは否定することのできない人間の一面ではないでしょうか。そして考え方や宗教、肌の色、習慣、価値観などなど、人間は様々な理由を付けながら同じ人間を叩いています。

「人間は、動物のみならず同じ人間でさえも傷つけ殺す」

 

 

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-もし息子が同じ目に遭ったらと思うと胸が締め付けられる
-その子が何か 悪いことをしたわけでもなかったのにな…

人間はとにかく自分を守ろうとします。その延長線上で家族を守ろうとします。さらに範囲を広げて身の回りの人々や関係のある人々を守ろうとします。そうやって”大事な人”に優先順位を付けています。

見知らぬ人、すなわち極端に優先順位の低い人が酷い目にあったりしてもさほど感情は動きません。残酷なニュースを見て心の底から犯人をどうにかしようとする人はほとんどいないでしょう。その時実際に考えるのは、自分や優先順位の高い人が同様の被害を受ける可能性があるか否かではないでしょうか。可能性があると思えば「こんなことをする奴は許せない」と正義を唱えるかもしれません。無ければ「かわいそうに」と思ったとしても数日もすれば忘れてたりします。近くの町で事件が起きれば危機感を抱きますが、地球の裏側で同じ事が起きてもそこまで気にしなかったりします。その時ニュースを追いかけるのは果たしてなんなのでしょうか。好奇心、あるいは恐いもの見たさ、言い換えれば「面白いから」かもしれません。でも「あの殺人事件は面白かった、興味深かった」なんて口にするのは憚られますから、「明日は我が身なので参考のために見ている」なんてスタンスを取るかもしれません。そしてそれは周囲へのポーズのみならず、自分自身でそう思い込んでいったりします。でもやっぱり、実際に何か対策を練るわけでもなければ、だいたいすぐ忘れてしまいます。

「人は大事な人に順位を付けて守ろうとする。一方で、大事じゃない人はわりとどうでもいい」

 

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-人殺しはそっちだろ?
-お前ら復権派は俺達マーレに何をしようとした?
-エルディア帝国と同じ道を辿ろうとしたよな?
-心は痛まなかったのか?

グリシャや復権派の様子からはマーレ人や壁内人を傷つけたりすることへの躊躇などは見られませんでした。やはり知らない人のことなんてどうでもいいのでしょう。大事なのは自分たちが痛いか痛くないか。


図星だったからでしょうか。グリシャはこの質問を否定することもできず、話を逸らします。

 

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-俺は真実を知っている
-我々の始祖ユミルは……
(以下略)

我々の祖先は悪いことをしていない、なのにお前らは自分たちを虐げている、だから・・といった感じの言い分です。だからと言って自分たちが誰かを傷つける正当な理由になるわけではありません。そもそも祖先が悪いことをしたとかどうとかは関係ないんです。それをグロス様はずっと言っています。ユミルの民の巨人の力が”現在の自分たちに”脅威だから排除しているだけです。現在進行形の話をしているのであって、過去がどうとかは問題ではありません。

グリシャが言っていることはその場しのぎの取ってつけた理屈なので、実は論点がずれている上に破綻しています。彼が言っているのは「祖先は悪いことをしていないんだから虐げられる謂れはない」ということです。でもそれって逆に言えば「悪いことをしていたら虐げられても仕方ない」となってしまいます。「悪いことをした人は、してない人(良い人)の言うことを聞かなくちゃいけないんだ」 子供が言いそうな理屈ですが、いったいどれだけの人が自分は生まれてこのかた悪い事をしたことがないと言い切れるのでしょうか。むしろ「自分だけは何だって正しいと思っている」と揶揄されるのがオチです。

しかもその祖先の話だって”私はこう思う”という程度のものでしかありませんし(21巻86話)

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-なぜなら俺は始祖ユミルを信じている!!

 

結局、グロス様が歯に衣着せずに淡々と事実を並べたてる中、グリシャはなんとか自分たちの行いを綺麗な言葉で正当化しようとあがいてるような感じです。やってることは「俺は悪くない」「お前らが悪い」と大声でがなり立てているだけで、理屈では完敗しています。

確かにグロス様の言動は見てて気持ちの良いものではないかもしれません。でも、あの御方は”本当のこと”をただ言葉にしているだけ。もしかしたら私たちがその言動に不快を催すのは痛いところを突かれているからかもしれません。グリシャと同じように、心の底では分かっているけれど目を背けていたい事実をはっきりと言葉にされることに、無意識が抵抗しているのかもしれません。

念のため書いておきますが、私はこういった人間の性質を批判しようとかいうつもりはありません。ただ事実として人間はグロス様が言うような性質を持っているだろうこと、そしてグリシャに見られるように人はその事実から目を逸らすためにきれいごとを言う性質があるという事実に、目を向けているだけです。

 

 

 

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-残酷な世界の真実と向き合い 理解を深めているからだ

さて、グリシャノートの表現がここから来ているのならば、それはグロス様の言葉がグリシャに影響を及ぼしたということです。つまりジークへの後悔と合わさってエレンの育て方に影響を与えたことになりますから、この作品においてグロス様の言葉の意義はたいへん大きいものになります。

 

グロス様の偉大さはおそらくそれだけに留まりません。これらは根拠が弱いので現時点では参考までにとしか言えませんが(24巻98話)

 

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この人物がグロス様のご子息かもというのは多くの方が予想していることと思います。そして私はこの真ん中の子が彼ではないかと推測します(21巻86話)

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真ん中の彼だけはリードを自分の手に巻き付け、犬を放つことを躊躇する部分があるかのように見えます。それでも軍人である父親の命令に逆らえるとは思えませんが、いずれにせよ彼はそこで自ら手を汚す恐怖を若くして体験したのでしょう。ユミルの民といえど普通の女の子にしか見えない子供を殺すことで、反発や疑問が芽生えたかもしれません。だとすればガビファルコたちに対する態度にも納得がいくように思います(25巻102話)

 

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言うまでもなく彼(とロッケンローラー)の死はガビを復讐に突き動かした大きな要因の一つであり、そこからガビはパラディへ渡って現在の気付きに辿り着いています。ガビの気付きは今後かなり大きな意味を持つだろうと推測できますが、その元となっているのはグロス様の「教育」の成果だと言えるわけです。

 


さらにもうひとつ。

 

グリシャが考え方を改めたのはグロス様と同じくらいクルーガーの影響も大きいはずです。そこでさらに一つ推測を重ねますが(22巻88話)

 

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おそらくこの真ん中の人物は若い頃のグロス様ではないかと推測しています。ヒゲと鼻の感じが一致しています。まぁ父親とか親戚かもしれませんけど。

つまりどういうことかと言いますと、幼いクルーガーに復讐を誓わせた要因にグロス様が関わっているかもしれないということです。そしてクルーガーは同胞を犠牲にしながらグロス様に近づき、機会を窺っていたのかもしれません。

 

であればクルーガーはここで家族の仇を討ったことになります。グリシャにとってのフェイの仇を討つのと同時に。

 

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-どうだ?
-これが面白いと思うか?

この聞き方には、本人は面白くないと思っているニュアンスが含まれています。つまりクルーガーはグリシャと全く同じ目線から、”復讐を遂げたけどやっぱり面白くないよな”って同意を求めてることになるわけです。「人を愛せ」という言葉の重みも全然違ってくるように思います。


これらは推測としか言えないものですが、もしそうであるとすればグロス様はクルーガー、グリシャ、エレン、ガビに影響を及ぼしたことになります。それってグロス様がいなかったら「進撃の巨人」という物語が成立しないレベルと言えるかもしれません。神と呼ばずしてなんと呼べばいいのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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グロス様は死の間際まで私たちに教えてくださいます。もしも死後の世界というものがあるなら、この場面で胸がスッとした私たちをグロス様は指差していることでしょう。


 ほら言わんこっちゃない。たったいま、人の死を見て喜んでただろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

-finale-

既に分かってはいたことですが、Final seasonということで改めて終わる事実を突きつけられた感じがしてせつないですね。

ところで放送スケジュールから予想するに、原作とアニメでエンドを変えてくる可能性が出てきたように思います。というのも、原作とアニメをほぼ同時に終わらせようとしているんじゃないかと推測できるからです。既に予想はされていると思いますが簡単に仮説を立ててみましょう。

まず、今期を見ても分かりますがアニメの1話はおおむね原作2話を消化できると考えられます。つまりアニメ2話で原作4話=1巻分になります。すると1クールを約12話として、最大6巻分ほど消化できることになります。次のシーズンは23巻からになりますから28巻まで1クールで消化が可能、ということは現時点で少なくとも2クールは必要です。

第2クールがあるとするなら29巻~34巻くらいとなり、今から残すところあと20話くらいとなります。妥当な感じですよね。20話なら2021年の2月までとなりますが、もし3クールやるとなるとさらに数十話を積み上げなければなりません。すると、昨年「もうすぐ終わる」と言ってから4年前後も引き伸ばすことになりますから、ちょっと考えづらい感じになります。だからだいたい2クールくらいではないかと推測できます。秋というのが9~10月くらいにかけて始まるとして、第2クールは翌年2~3月終わりなのでだいたい原作と合ってきそうな雰囲気です。

もちろん今期のように分割とかで全然合わない可能性もありますが、今まで決して明かしてこなかった原作の終了時期を Final という言葉で敢えて限定してきたことに意味があるような気がします。だってアニメの告知自体は"next season"でも良かったわけですから。

じゃあなんで原作とアニメの終了を合わせるのかって考えたら、やっぱり仕掛けがありそうだなと。まぁ「君の名は」のせいでパラレルに引きずられてるだけかもしれませんけど笑

結末は見たいけど終わって欲しくないのが本音ですが、少なくともまだ1年以上続くことはほぼ確定と見て良さそうな気はします。というわけで、引き続きよろしくお願いします。

-finaleおわり-

 

 

 

 

本日もご覧いただきありがとうございました。


written: 1st Jul 2019
updated: none