進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

079 物語の考察 伝える難しさ(第85話 地下室)

 

みなさんこんにちは。

 

この記事は”地下にある部屋”の話ではありません笑。85話で描かれている会話と、白夜あたりに関する一考察です。

 

!!閲覧注意!!
この記事は基本的に85話「地下室」及び「白夜」あたりを語っていますが、終盤に物語全体を俯瞰した上での結末予想に近いものが含まれています。あくまで私の推測に過ぎませんが、それなりの根拠を基に言っているつもりですので、どうぞ自己責任にて閲覧なり回避なりをお選びください。

 

 

 

この記事は最新話である118話までのネタバレを含んでいるかもしれません。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。注記の無いものは全て21巻85話からのものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


[伝える難しさ(第85話 地下室)]

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-エレン ありのままを話せ

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-ありのまま話せと言っただろうが

兵長がいつものようにエレンに対してちょっと厳しい当たりをするこの場面、残酷なシガンシナ戦がようやく終わった後の、少し和むようなシーンにも感じられます。でも今回アニメで見ていてある繋がりを感じてしまいました。たぶんこのセリフ、「進撃の巨人」という作品全体においてとても重要なセリフになるのではないかと思ったので、今のうちにそれを記しておきます。

 

 

 

 


「白夜」騒動後のこの85話は、生き残った調査兵団員たちによる会話が描かれています。その会話の大部分は、目覚めていきさつを知ったアルミンと、それをなだめるかのような兵長とハンジによるもの。

実は私、アニメを見るまではこの時の兵長とハンジの”スタンス”みたいなものがいまいち曖昧にしか分かっていませんでした。でもある言葉を念頭に置いて考えたら、かなりスッキリと理解できることに気が付きました。

 

 

 

 


話は「白夜」のあたりまで遡ります。「白夜」については以前 063 変わらないモノ という記事で書いたのですが、基本的にはその解釈と変わりません。ざっくりとお話すれば、兵長は最初は私情でエルヴィンを生かそうとしていたけど、最後は私情を捨て本人たちの意志を尊重してアルミンを選んだという感じです。リンク先の記事の真ん中あたりでそれを書いてますので、そのあたりだけでも前提として読んでおいていただけるとこの記事も理解しやすいかもしれません。

 

 


さて、シガンシナ戦前にこんな会話がありました(18巻72話)

 

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-現場の指揮はハンジに託せ
-お荷物抱えんのはまっぴらだ
-お前はここで果報を待て

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-私がやらなければ成功率が下がる

二人は調査兵団としての今後を考えた時にどうするべきか、つまり組織の動きに関する話をしています(18巻72話)

 

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-この世の真実が明らかになる瞬間には
-私が立ち会わなければならない

でもここでエルヴィンが”本音”をチラッと出していますね。言うまでもありませんが、エルヴィンは「地下室に行きたい」という個人的な夢があってそれが叶えられそうだから、どうしてもシガンシナに行きたくて仕方が無かったわけです。でも、組織を動かすにあたってそんな個人の都合を通すわけにはいきませんから、その前の会話のように”建前”を使っていました。

 

そう、本音と建前。

 

考えてみれば会社にしろ学校にしろ、組織というのは基本的に建前の世界です。私がこうしたいからするのではなく、全体としてこうするべきだから私もそうするみたいな。さらに組織を統制するために立場というものがあって、全体が円滑に進むように上の立場の言うことを聞くといった感じですよね。実際は心の中で「あの部長はたいした人じゃない」とか思っていたとしても、全体のためにはおとなしく従っておくわけです。それが本音と建前。

こうして組織や全体に関わるものを建前、個人的なものを本音と分けるとすれば、”私情”というのはまさに本音の部分です。

 

 


ところで、白夜の一件が始まる前にこんな場面がありました(21巻83話)

 

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-ハンジさんらしく… ないですね

あの頭の回るハンジが、あの巨人の謎を解くことに夢中だったハンジが、ジャンに諫められるまで貴重な情報源でもあるライナーを殺すことばっかり考えていました(21巻83話)

 

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-君の口も鎧のように堅そうに見える

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-覚悟ができてて助かるよ

ハンジはいろいろと理由を付けていますが、どのセリフも最初から殺すほうへ殺すほうへと言葉を紡いでいるのがお分かりになるでしょうか。「知りたいことを教える」かどうか答える前から、ブレードの準備もぬかりありません(21巻83話)

 

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ジャンに諫められてからも何か思いつめるような、なんとか踏ん切りをつけるような表情が描かれていることからも、おそらくハンジは殺したくて仕方がなかったんだと思います。まぁそれは当然ですよね。目の前でモブリットが殺され、ハンジ班もみんな殺されました。もちろん直接手を下したのはライナーではありませんが、彼らは等しくそれをした敵であることに間違いはありません。ハンジがそれを殺したいと思うのは不思議もありません。ただしそれは私情であり、すなわち本音です(21巻83話)

 

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-なぜならこいつらの底力は
-我々には到底計り知れないからだ
-首を刎ねてもまだ安心できないよ

このセリフには悔恨がにじんでいることが見て取れます。エレンの言葉を借りれば、(7巻28話)

 

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-最初からこいつをぶっ殺しておけば!!

ということだと思います。あの時しっかりトドメをさしてさえいれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに・・

 

なんにせよハンジは考えを改め、今度は自身に甘さがあるのではないかと疑い始めたジャンにこう言います(21巻83話)

 

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-私の判断だ
-君のは判断材料

要するに君にはなにも責任はないから思い悩む必要もないよ、ということですね。後にライナーを奪われてからも自分の責任だと言っていることから分かる通り、これは組織の理屈です。ハンジは「殺してやりたい」という本音を抑えて、建前に舵を切ったことになります。本音から建前へ。

 

 

 

 


さて、兵長に話を戻します。先述した打ち合わせもそうでしたが、もともと兵長はエルヴィンを死なせたくなくて仕方がなかったように感じます(19巻76話)

 

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-雑魚はそこにいろ

ただし、兵長は「人類のためにはエルヴィンが生きている必要がある」ことを何度となく言ってますから、ここで兵長が死なせたくないと思っているのが本音なのか建前なのかはよく分かりません。

 

でもそれを見極めようと思いながらこちらの場面を見れば、答えは明白かもしれません(20巻80話)

 

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-夢を諦めて死んでくれ

エルヴィンに個人の夢のために生きるのではなく、全体のために組織のリーダーとして死んでくれ、と言ってるわけです。つまり本音を捨てて建前で死んでくれということです。本音から建前へ。

兵長は苦渋の決断としてそれを言ってますから、死んで欲しくなかったのはどちらかと言えば本音だったということになると考えられます。さらに言えば、二人がここで交わした約束とは”お互い本音を抑えて建前を通そう”ということだと捉えることもできるでしょう。組織のためにエルヴィンに死ねと言った以上、自分も組織のために(本音では受け入れ難いが)仲間が犠牲になることを呑み込んで、作戦に従って獣を殺す。つまり先ほどのハンジ同様、兵長も本音から建前に舵を切るムーブをしていることになります。ハンジの場面の会話が、大きく意味を帯びてくることになりますね。

 


それでもまた私情に囚われてしまったんでしょうか、白夜でエルヴィンを生かそうとするわけですが、最後に思い出しています(21巻84話)

 

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-リヴァイ… ありがとう

エルヴィンは、自分を組織のリーダーのまま死ぬよう背中を押してくれてありがとう、と言ってる感じでしょうか。抗いきれない夢(=本音)への執着を、断ち切ってくれてありがとう。

それを思い出してエルヴィンを生かすことを止めたわけですから、やはり生かそうとしていたのが私情(=本音)で、自分も建前で行動しなくてはと思い直した、と受け取るのが自然でしょう。ですので、(21巻84話)

 

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-エレン…
-私情を捨てろ

いつもお読みいただいている方には耳タコですみませんが、

 

本人の心の中に、その考えが存在するから、言葉として出てくるんです。

 

だから、私情を捨ててなかったのは兵長なんだと思います。もちろんエレンもそうだと言えるでしょうけど。そして兵長は心の奥深くで自分が私情で選んでいることを理解しているから、おそらく苦し紛れにこう言い繕ってしまったのではないかと思います(21巻83話)

 

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-俺は人類を救える方を生かす

結果はご存知の通り、完全に拮抗することを招いた悪手だったと言えます。いつもの冷静に状況を客観視できる兵長なら、アルミンが今までしてきたことが「人類を救える」根拠になる得ることくらい分かっていたはずです。これは私個人の意見ですが、ここでのベストアンサーは嘘でもなんでも「序列が上のものを生かすのが当然だ」とか言って押し切ることじゃないかと思います(あくまでエルヴィンを生かすためのベストアンサーという意味です。)もし兵長がそう言っていればエレンは言い返すことはできませんし、夢の話も的外れな反論以上のものにはならなかったかもしれません。

ちなみにエルヴィンは建前を通しながら一度死んだことで、最後はようやく建前から解放されて本音に戻ることができたと考えれば、フロックに語っていたことがまさにそれです。

 

 

 

こうした背景があるから、アルミンにこう言ったんだと思います。

 

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-最終的にお前を選んだのは俺だ

要するに”責任は自分にある”ということです。アルミンを生かすことを主張したエレンたちが悪い事をしたような空気になっているので、「私の判断だ、あいつらのは判断材料」と言ってるわけです。組織の理論、つまり建前を通しています。

 

ハンジも同様に、

 

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-しかしエルヴィンが注射を託したのはリヴァイであり
-そのリヴァイは君を選んだ
-それならもう何も言うまい

これも序列を意識した組織の理論です。決定権は団長にあり、団長がそれを託したなら決定権は兵長にある。であれば他の人はそれに従うべきなのが組織です。

 

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-より一層の人類への貢献に期待するよ

ハンジも完全に建前を通していますね。とはいえハンジはハンジなりに優しさや気遣いも見せていて、

 

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-私も… エルヴィンに打つべきだと思ったよ

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-私もエルヴィン後任の調査兵団団長としては
-君と似たような立場だ…

 

これらは、アルミンの思いに同調を示しています。どちらも同じパターンで喋ってて、

 私も(君と同じく)エルヴィンだと思ってたよ
 →でも(私も言わないから君も)もう言うのはよそうよ

 私も君と同じような状況だよ
 →だから私も君も腹を括って一緒に頑張ろうよ

「エルヴィンに打つ~」の方は一見キツイ言い方に見えますが、こうして見るととても優しい言葉をかけてあげてるのが分かります。

 

 


そしてやっぱり、兵長も同様なんです。

 

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-勘違いするな
-お前じゃエルヴィンの代わりには なれねぇ

これもハンジの言葉と一緒ですよね。一見厳しく見えるけど、兵長はアルミンの思いに寄り添いながらこう言ってあげてるんだと思います。

 エルヴィンの代わりにならなきゃいけないなんて、
 そんなこと考える必要はない
 お前には人よりいいところがある
 だから、自分が生きていることを喜んでいいんだ、
 ネガティブに考える必要なんてないんだよ

兵長はエルヴィンとの約束で組織としての建前を通さざるを得なくなりましたが、それでも仲間思いであることは変わらないということなのでしょう。最近の展開でもそうだったように思います。サネスが言っていた通りに、全体の中での調査兵団の立ち位置は変わり、人も増え、組織として守るべきものも変わっていきました。それでもやっぱり彼の中には変わらない何かがあって、その何かこそがリヴァイという「その人」である証と言えるのかもしれません。

だからこそアルミンはアルミンのままでいいし、誰かの代わりになったりとか、自分の存在証明とか、そんなことは必要無いんだって言えるのではないかなと。まぁハンジと兵長の言いたいこともアルミンにちゃんと伝わっているとは言えませんけどね。

 

 

 

 

さて、そんなこんなを踏まえて見ると、兵長のあの言葉の意味がとても大きくなってきます。

 

 

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-兵長
-どうして僕に打ったんですか⁉
-チッ

兵長がエレンを蹴ったのは、舌打ちからも分かる通りアルミンが”なぜ自分に打ったのか”を問い質したからです。つまり、兵長にしてみれば「ありのまま」話せば、その疑問は出ないはずだったということです。でもアルミンはちゃんと全体の流れをエレンから聞いているように感じますよね?

 


でも、兵長にとっては何かが足りなかったんです。だから続く言葉はこうでした。

 

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-少なくとも…
-お前の仲良し二人はそう思わなかったようだぞ?
-俺に抵抗し刃傷沙汰に及ぶほどな

 

それに対するエレンの反応もいちおう。

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-オレ達はどんな処罰も受けます

エレン、そうじゃない。

 


とりあえずエレンの反応は置いておくとして、兵長の言いたいことはこうですよね。

この二人は、リヴァイ兵長という上司に刃向かってでも、組織のことや後先なんか一切顧みずに、お前が生きることを望んだんだぞって。エルヴィンよりお前が生きるべきだって考えてるやつがいるんだぞ、お前が生きていることをそんなにも喜んでくれるやつがここにいるんだぞって。

だから”エレンに”話させたんでしょう。本人の口から、それを言って欲しかったんだと思います。なのにエレンはあらすじしか話してないから蹴ったし、仕方なく自分で話しておいたんだと思います。もちろん反応を見れば分かる通り、エレンは兵長が何を言いたいのか理解していません。

 

 

 

私の見立てでは、アルミンはどうやって死ねば褒めてもらえるか、そればかりが頭にあっただろうと思っています。ユミルがヒストリアに言っていたアレです。それはなぜかと言えば、人から認められるため。なぜ人から認められなければならないのかと言えば、自分が生きてることの価値を確認したいからです。

もちろん兵長はアルミンが決死作戦を行った背景にある心理を知っているわけではないでしょうが、おそらく予期していたんだと思います。どうしてもエルヴィンと比較されるような感覚に陥って、自分が生きていることを否定するような感情を覚えるだろうと。もともと兵長も似たような部分を持っていてもおかしくない幼少期を過ごしていますから。

だから一番仲が良くて、おそらくアルミン自身が憧れも持っているだろうエレン本人の言葉で、自分が生きていることをどれだけ強く望んでいる人がいて、どれだけ自分が生きていることが素晴らしいことなのかを、知ってほしかったんだと思います。お前の命には既に価値はあるんだよ、理由なんていらないんだよって。

 

 

 

これは作中で描かれることはないでしょうからただの妄想に過ぎませんが、おそらくこの時、エレンが屋根の上の勢いそのままにちゃんと伝えていたら、たぶん歴史は変わったんだと思います。ここでのたった一つの言葉の足りなさが、最終的にはエレンとアルミンの間の亀裂となって悲劇を巻き起こすということになると推測します。

 

 

 

 


どういうことかって?

 


そこで兵長がわざわざ言わせようとしていた言葉、エレンが言わなかった言葉、アルミンが聞けなかった言葉はどこにあるのでしょうか?(21巻84話)

 

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-人類を救うのはオレでも団長でもない!!
-アルミンだ!!

 

それはエレンの記憶の中です。

 

もちろんあの場にいた全員の記憶にもありますが、アルミンがその記憶を得る方法は一つだけです。アルミンが生きていていいんだって思えるたった一つの方法は、知性巨人であるエレンをたべ$#@!%^&*

 

 

 

 

 

 

 

 

-あとがき-

 

本当にこの通りだったら楽しみを奪うみたいでごめんなさい。まぁ今までも同じことずっと書いてますけど、どう考えてもそこに向かっているとしか思えないんです、私には。今回もいつの間にかそこに辿り着いてしまった感じです。

以前冗談まじりに裏の主役はアルミンです、なんて書いたことがありますが、実はほんとにそうだと思っています。おそらく、物語の主人公はエレンだけど、作品としての主役はアルミン、みたいな感じじゃないかと思ってます。私の予想通りであれば、完結した時にこの言葉はご納得いただける感じになるかもしれません。それくらい作者はアルミンの描き込み方みたいなのが飛び抜けて凄いと感じています。雑に言ってしまえば、アルミンがエレンの承認を得るお話なんですが、まぁユミルの民という種族全体として、この世界に生きていていいのかどうかというあたりと重なると思います。巨人化学のコーナーっぽくなってきたので今回はここまでにします。

 

 


そういえば今期のアニメも相変わらず面白いし、理解をより深めてくれるものとなってます。そして今までになく原作に忠実な作りになっているとは思うのですが、思うのですが、思うのですが、どうしても一つだけ言いたいのです。

 

 エレンミカサ、今は皿をまとめている場合じゃないよ・・

 


-あとがきおわり-

 

 

 


こここ、この記事はアニメを見てすぐに書き始めたんだから、なにかのフォローとかじゃないんだからね! いや、ほんとに笑


本日もご覧いただきありがとうございました。


written: 18th Jun 2019
updated: none