進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

046 最新話からの考察 110話③ 客観に潜む毒

みなさんこんにちは。

 

 

今回はちょっとだいぶ理屈っぽい上にまとまりが無いです。キャラの話とかを読みたい方にはスルー推奨します。

 

 

 

!閲覧注意!
この考察は作品の仕掛けに言及している部分があり、それがもし作者の意図通りであったならば、知らない方が連載をより楽しめるかもしれません。その点をご了承いただける方のみご覧ください。

また、この記事は最新話である110話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。注記の無いものは110話からのものです。

 

 

 

 

 

 

[客観に潜む毒]

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進撃では、各々の正義のぶつかり合いが描かれていることは今さら言うまでもないことでしょう。各々の正義を噛み砕いて言うと、その人が主観的に正しいと信じていること、といったところでしょうか。

前回の考察では、できるだけ客観的にエレンの主観を探る試みをしました。それを読んでいただいた感想も、みなさんの主観の立ち位置によって異なっていると思います。私は考察をするときに、できるだけ客観性を保つようにはしているつもりです。客観とは事実です。前回の記事もエレン以外の人物の主観的な意見をできるだけ排除して、事実とエレンのセリフのみから心情を推測しました。他者の主観は事実を捻じ曲げてしまう危険性があるからです。それでも、どれだけ頑張っても私の書いたものは私の主観でしかありません。推測をしている時点で、それはもう主観です。本当の客観というのは事実のみを述べる時にしか存在し得ません。

ところで人間にはどうも客観信仰とでも言うような性質があって、客観っぽく見えることが正しいと思い込む傾向があります。おそらく擬似的な他者承認ということだと思いますが、他の人と同じ意見だとホッとするような感じ、ありますよね。自分だけでなく他の人もそう思ってるからこれは客観的で正しいことだ、といった具合です。すると客観的な正しさなのだから異なる意見は間違っていると、さらに自分を思い込ませていったりします。自分が正しいということに執着していき、それに合致しない事実が目に入りにくくなったり、認められなくなることもあります。

 

 

110話のザックレー暗殺事件では、人間の心理に存在する一つの危うい性質が描かれていると思います。

 

 

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-新兵に運ばせたと
-総統は申しておりました

 

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-僕とミカサは総統の部屋を訪れる数分前に…
-本部から走り去る新兵を見ました…
-調査兵団です

 

アルミンは2つの事実を青ざめながら述べています。

・芸術品は新兵に運ばせたと総統が言っていた(事実)
・爆発のしばらく前に走り去る調査兵団の新兵がいた(事実)

 

この発言により、調査兵団の新兵が犯人の可能性が高いという空気が蔓延しています。確かに読者の視点から見てもアルミンが語ったことは2つとも事実であり、そこからは同様の推測が導き出されます。自ら所属する団体を告白するという、言いにくいことを正直に話しているのも、アルミン個人の客観性に信頼が置ける感じがしますよね。

ところが、ここで行われた推測は図らずも客観性を欠いてしまっています。これこそが人と人の間に誤解や猜疑心を生みだすメカニズムだという描写のように思います。そしてその結果として、敵対感情や冤罪などを誘発するということなのでしょう。

 

 


改めて暗殺事件について整理してみましょう。


まず、あの事件に関して客観的な事実と言えるのはこの2つです。

・総統は爆発によって死んだ(事実)
・3名の憲兵も爆死している(事実)

この事実だけから推測するならば、憲兵が犯人、総統が自爆した、あるいは誰かが爆弾を仕掛けていた、といった可能性が考えられるでしょうか。普通に考えれば、まず憲兵を疑ってもおかしくないと思います。

 

ここで捜査にあたったローグたち憲兵は、次のような推測をしています。

・爆発は芸術品から起こったと見ている(推測)

この推測がどのような過程を経て成されたのかは描かれていません。”憲兵がするはずがない”と思いたい心理的なバイアスがあったかもしれません。ともかく、証拠が示されてない現状ではあくまで彼らの視点、つまり彼らの主観による”根拠の不確かな推測”以上のものにはなり得ません。

 

-余談-

ちなみに、044 ムーブメント の冒頭に書きましたが、爆風などを見るとこの推測は誤っている可能性が多分にあります。その真偽はどちらでも良いのですが、少なくとも、合っている可能性もあるが、誤っている可能性も同程度に存在するということです。すなわち、事実でなく推測でしかないということになります。

-余談おわり-


実は、アルミンの語った2つの事実は、その”根拠の不確かな推測”に結びつけて想起されたものです。試しにこれら事実だけを並べると、少し違和感を覚えると思います。頭をフラットにして、書いてある事実のみにご注目ください。

 

・総統は爆発によって死んだ(事実)
・3名の憲兵も爆死している(事実)
・芸術品は新兵に運ばせたと総統が言っていた(事実)
・爆発のしばらく前に走り去る調査兵団の新兵がいた(事実)

 

もちろん、この4つの事実からも同様に新兵を疑う推測は可能です。でもなんか、取って付けたような、下2つは繋がりも無く関係なさそうな感じも受け取れませんでしょうか? これだけを見ると、憲兵があやしいような、新兵もあやしいような、同列に並んだ可能性を感じるかもしれません。

 

ここに憲兵による主観的な推測を入れてみます。

 

・総統は爆発によって死んだ
・3名の憲兵も爆死している
・爆発は芸術品から起こったと見ている
・芸術品は新兵に運ばせたと総統が言っていた
・爆発のしばらく前に走り去る調査兵団の新兵がいた

 

一気に新兵が容疑者筆頭に上った感じがありませんでしょうか。憲兵より新兵の方があやしいと推測するのは当然と言っても良いかもしれません。ただ”走り去った”だけの事実が、”現場から急いで逃げようとしていた”という憶測に自然と変わっていく感じがします。

 

憲兵が語った一つの事柄が混じっただけで、ご自身にバイアスがかかったのを実感していただけましたでしょうか?

でも思い出してください。この「爆発は芸術品から~」というのは”根拠の不確かな推測”です。それを前提に新兵が犯人だと推測するということは、こういうことになります。

 根拠の不確かな推測をもとにした推測

この言葉だけを見ると、信憑性も客観性も露ほども無いことがよく分かります。でも兵団も私たちも、事実をもとにした客観的な推測だ、新兵が一番あやしい、となりかけていたわけです。これがバイアスの恐ろしさです。より客観に近いのは、4つの事実だけを基にした推測です。憲兵かもしれないし、新兵かもしれない、総統が自爆したのかもしれない。実際は新兵は命令に従って椅子を運び、急いで持ち場に戻ろうとして走っただけの、模範的な若者だった可能性だって存在しているはずです。

 

おそらく、調査兵団のエレンへの不信感も同様の流れから生じている可能性が高いと思います。事実の中に少しだけ混じった主観によって、方向付けがなされてしまったんじゃないかと思います。その実、エレンが出奔して作戦を伝えて奇襲をして今に至るまで、彼らはエレンとまともに言葉を交わしていません。つまり、全ては彼らの主観的な推測です。

ということは、「あれはエレンじゃない」も「俺達を巻き込んだ(大事じゃなくなった)」も、単なる推測でしかなく、上の例に照らして言えば、そうである可能性とそうでない可能性は同様に存在しています。でもそこに誰かの主観によるバイアスがかかっていたとしたら、”根拠の不確かな推測をもとにした推測”ということになり、その正確性には一気に黄信号が灯ります。

別にこれは兵団を非難しているわけじゃありません。人間はそういう性質を持っており、どこまでいっても主観からは逃れられないということを改めて認識していただきたかっただけです。

 

実は前回の記事の対照として、兵団の主観から見たらエレンは手が付けられない存在ですよ~という文章を書いてたのですが、つまらなかったので省略しました。だってみなさんよく分かってるでしょうし。そんなこと言われるまでもなく、どちらもその主観に立ってみればそこに正義があることはご存知のことと思います。現在はその正義と正義がこじれていく過程なんだと思います。その原因の一つが、今回描かれたバイアスなんでしょう。

 

物語の読者はよく神の視点に例えられたりします。厳密に言うとこれには誤りがあって、読者といえど完全な客観視はできません。あるとすれば、どれだけ客観に近づけるかという程度の問題だけです。読者も気が付かないうちにバイアスがかかり、偏った視点から物語を見ているのです。

110話の副題「偽り者」、実はこれが多くの読者にバイアスをかけています。もし狙ってやってるなら作者は天才的というか変態的な感じですね。

110話の感想を見ると、多くの方が”嘘をついている人”探しをしているようです。「やっぱりイェレナとかジークがあやしいでしょう」とか「オニャンコポンがまさか」みたいな。嘘をついている人がいることが前提になって読んでしまっているので、ピクシスのセリフで「そら見たことか、イェレナが嘘つきだったんだ」となっているようです。

 

作者は一言も「嘘をついてる人がいる」なんて言っていません。

 

これは私の見立てでしかありませんが、基本的に進撃の登場人物は、自分の考えをセリフで言う時に嘘をつくことは無いように見えます。おそらく正義のぶつかり合いを描く上でのデフォルメ的な要素ではないかと思います。各人が自分の正義に真っすぐに向かっていないと、客観的に正義と悪に分けられてしまう恐れがあるからかもしれません。

ただし自分の意見に関して嘘は言わなくても、黙っていたり、聞かれていないことを言わないことはよくあります。言い訳をしたり、間違った推測を口にすることもよくあります。これを他者から見ると、場合によっては嘘になるし、裏切られたとなりますよね。でも本人はその時々で自分の信じていることを言ったり、言わなかったりしているだけです。つまり、偽ったのではなく、(他者から見て)偽りになっただけです。おそらくこれが「偽る者」ではなく「偽り者」という聞きなれない言葉を副題に選んだ意味ではないかと考えます。誰もが主観で物を言っているわけですから、立場の違う他の主観から見ると偽りになることがある、つまり全ての人が「偽り者」なんだと思います。

 

その主観と主観の絡み合いによって、暗殺の件のように猜疑心が生まれたり、裏切られたという想いから敵対感情が生まれたりする、ただそれだけ。それによって争ったり争わなかったりしている。全然合理的じゃないんですよ人間は、みたいな感じを受けるんです。

物語を一貫して根底に流れているその人間観が最も現れているのがこれだと思います(22巻89話)

 

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-どうもこの世界ってのは ただ肉の塊が騒いだり動き回っているだけで
-特に意味は無いらしい

 

だからこそ周囲にばかり気をやって生きるのではなく、「自分のために生きようよ」って、「悔いの残らない道を選択しようよ」ってメッセージが意味を帯びてくると思うんですよね。

客観的に絶対正しいことなんて分かりようがないし、必死でみんなにとって正しいことを模索しても、立場の違う人からは悪とされることも普通にあるわけです。人間はそういう仕組みにできているんです。だったら自分が信じること、やりたいことをやった方がいいかもしれないですよね。後悔しないってことには責任も付随していて、好き勝手やったら自分で後悔するかもしれないし、失敗した時に他人のせいにできないってことにも繋がっていたりします。でもまあこの世界なんて、肉のかたまりに何やら得体の知れない自我とやらがのっかったモノが、金やら地位やらを巡ってやんややんやしているだけですから、別にその人生のレールとやらに縛られる必要はないかもよ、って。ほら「進撃の巨人さん」を見てごらんなさい、どんどんレールからはみ出していってるでしょ。それは楽なことではないかもしれないけど、その先で何か見つけられるかもしれないよね・・

 

 


というのが、私の主観による推測です。

 

 

 

 

 

 


-補足-


なんか抽象的なことしか言ってない気がするので、物語のことにも少しだけ触れておきます。

まず、044 ムーブメント でピクシスはイェレナを信じたから「嘘をつきなさい」って言ったんだよって、普通にさらっと書いてしまったのですが、異なる解釈がとても多く見受けられるので、蛇足ですが私の主観的な推測を詳しく書いてみます。

 

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-上手い嘘のつき方を知っとるか?
-時折り事実を交ぜて喋ることじゃ

 

まず状況を確認しますと、一通り質疑応答があった後、アンカさんを書記官としてエレンとの会話を書き留める段階での発言です。書き留めるということは、私の主観的な推測では兵団内に報告する意図があるということです。つまり今までの会話はオフレコで、これからはオンレコになるということだと思います。

あと忘れられてそうなことが一点(27巻109話)

 

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-ワシはどれだけ長くなっても構わんからの

ピクシスはどれだけ時間がかかろうが、事実を聞き出すために話をしています。そして私の主観的な推測によれば、これはお友達の腹を探っているのではなく、容疑者への尋問のようなものです。


さて、ピクシスはこのどれかだと思っているわけです。

①イェレナが言っていることは全て嘘
②イェレナは事実を交ぜながら嘘を言っている
③イェレナは嘘を言っていない


まず②の場合。「君が言ったことには事実と嘘が交ざっている、それはお見通しだよ」という解釈です。

うーん、苦しいですね。そういう意味で言ってるなら、ピクシスはどのあたりに嘘が含まれているかざっくりとでも目星が付いてるってことになりますよね。だったら、ツッコめばいい話ですよね。コレコレこういう理由でここは嘘でしょ、って。なぜ嘘をスルーして話を次の段階に進めてしまうのでしょうか。時間はいくらでもあるし、これは尋問であって事実を引き出すためにやっているんですよね。そもそも嘘を付いている人に「嘘をついてるよね」って告げたところで、事実を話すとは思えないのは私だけでしょうか。本当だと言い張るか、違う嘘をつくだけではないでしょうか。意味がないですよね。何のためにそんなネタ晴らしみたいなことを言うんでしょう。「ワシは分かってるんだぞ」って自尊心を満たすため?笑 そんなダメ発言をするピクシスは無能すぎるので私の主観的な推測では却下です。

 

では①の全て嘘の場合。
ピクシスの発言は、「君は嘘のつき方が下手だ、上手い嘘は事実を交ぜるもんだよ」みたいなニュアンスになるでしょうか。それってつまり、ここからは少しは事実を交ぜてね、って意味合いになるでしょうか。

なんでお願いベースなんでしょう笑。だから尋問なんですってば。事実を交ぜるんじゃなくて、全部事実を言わせなきゃダメですよね。


ごめんなさい、消去法だけでカタが付いてしまいました。どう考えても③だという私の主観的な推測に落ち着きました。冗談ぽく書いといてアレですが、冷静に考えたら①と②は無理があると思うんですよね。”嘘をついている人がいるはず”ってバイアス、かかってるんじゃないでしょうか。

③に関して言いますと、ピクシスは「好奇心でやったというのか」と驚愕しながら、「信じたい」と言っているわけです。「信じる」ではなく「信じたい」と言っているのは、驚愕が示している通り、やにわに信じ難い話だと思っているからです。そのやにわに信じがたい話を真正面から受け止めているってことですよね。でなければ「そんな馬鹿な話があるか」で済むはずです。でもオンレコにするにあたって、当然その報告を読んだ人たちもやにわに信じがたい話だと思う可能性は高いと想像できるわけです。以前の会議などでの兵団幹部の態度を考えれば、どういう反応が返ってくるかは想像に難くないですよね。それをいつもなだめていたのがピクシスです。今までの付き合いでイェレナという人物を少なからず知っており、また自身が培ってきた感情を引き出す術を駆使した上で出てきた話だからこそ、044 のような私の主観的な推測になったのですが、実際どうなんでしょうね。

 


ところで、本文に書いた”自分の意見を偽らない”セオリーにならって言えば、

 

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ジークの計画に打ちなびくよう説得していません。

 

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問題解決に向けエレンと思いを共にしました(とイェレナは思ってます)。

 

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マーレの中枢に潜伏し兵団を動かすよう助言していません。

 

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ジークが望んだ通りの結果を得るためにエレンを誘導しようとはしていません。もちろん、まだ言ってないことがあるでしょうが、基本的にはエレンの自主性を重んじているように聞こえます。そして・・

 

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-ですが私の行動のすべては
-エルディアを思ってのことです

彼女も自分の信じる正義に従って行動しているにすぎず、それはおそらく自分や仲間、ひいてはエルディア人や罪のない人々を守りたいといった普通の感情に根差していると思います。”嘘を言ってない”という仮の視点で、今までのイェレナの発言を読み返していただくと、彼女の主観に少しだけ近づけるかもしれません。だいぶ印象が変わるかもしれませんよ。

 

それからイェレナがマーレ人の人権を守ろうとしたのも、普通に人命を尊重する気持ちがあるからだと推測しています。憎しみの連鎖をさせないという一面もあるかもしれませんが。

なぜならイェレナとエレンは、何度も密会をして想いを共有しているわけです。共有したのは時間に対する焦りだけでしょうか。考えが全く合わない人と、そんな密会を繰り返すものでしょうか。その片割れのエレンは、マーレ兵であるコスロを思い浮かべながら「みんな同じ人間なんだ」ってことを言ってましたよね(25巻100話)

 

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エレンとイェレナの考え、だいたい同じなんじゃないでしょうか。

付け加えて、イェレナが導かれているジークには命を尊重する思想がありそうだということを、以前どこかの記事に書きました。繋がっている感じがします、私の主観的には笑。彼らの行動は一貫してて、ピークとポルコという戦う必要のない相手には、救援が来るまで困らないように水やらなんやらも用意してあげたりしてましたね。

 

ただ彼らは、目的を成すためには犠牲を厭わないところもありますので、他の主観から見てその方法が問題になってくることが予想できます。これから失われるであろう多くの命を守るために、最低限の犠牲を払う。目的のために犠牲を厭わないこと自体は、壁内も一緒なんですよ。巨人を倒す、つまり壁内人類を救うという大目的のためにエレンを守るという小目的があって、そのために調査兵も駐屯兵も憲兵も”死なせて”います。仲間に限らず、ストヘス区の市民も、討伐作戦と称してウォールマリアの市民も”死なせて”います。オルブド区でも一歩間違えれば死者が出ていたでしょう。サネスたちも壁の平和を守るために不穏分子を殺しまくりです。こんなことを書くと恐い人に絡まれそうですが、生きるために必要なら殺すって、それ自体は別に異常なことじゃないです。生物はそういう仕組みにできていますので。

ただ、人を殺すことは悪いことだという教えだったり、できれば”自分の”手を汚したくないとか、相手にとって自分が殺される対象になることを避ける心理とか、いろんな感情がないまぜになって、人を殺せる他人を十把一絡げに異常だと思いたいだけかもしれません。動物や虫は平気で殺したり、その恩恵を受けているのに。そういう意味ではエシカルのビーガンって突き抜けてるっていうか、進撃してるなぁとかしょーもないことを考えながら、終わりにしたいと思います。悪しからず。


-補足おわり-

 

 

 

 

 

 

昨日はようやく「日曜日は進撃アニメだ」と思った直後に、もう終わったことを思い出す感覚が抜けました。半年近く空くなんて長すぎますね。

話題になったエンディング、この作品の終盤で起こると予想しているイメージとかなり近くて驚きました。アルミンのとこで書きましたが、エレンがアルミンの命を必死に救おうとする姿、全部アルミンのおかげというセリフをその目で見て知ることが、アルミンにとって最大の承認になると思うんです。天丼の1回目だったりしないでしょうか。

でもアルミンが記憶を得るってことは、クッタってことになるかもしれず・・

 


本日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

 
written: 29th Oct 2018
updated: none