進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

035 最新話からの考察 108話① Questions n Answers

みなさんこんにちは。

 

 

 

最新話の108話が公開されました。文字・情報が多く、今までの様々なことが事実として確定される回でしたね。事実関係は読んだそのままだと思いますので、今回もいくつかのポイントに絞って見ていきたいと思います。

 

 

 

この記事は最新話である108話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。注記のないものは全て108話からです。

 

 

 

 

 

 


[108話 正論]

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憲兵

 

憲兵団幹部として名前ありの新キャラ、ローグが登場しました。スターウォーズでローグ・ワンという部隊名がありましたが、ローグとは”ならず者”くらいの意味です。そんなわけで名前としては普通使われないと思いますが、名は体を表す感じの表現でしょうか。酒を飲みながらくだを巻いている感じはまさにソレですね。

 

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-エレンとジークが「始祖の巨人」の力を使っちまえば
-その全員の記憶をいじることもできちまうんだろ?

 

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-俺達の提議通りに ジークは島に着くなり
-巨人にしたヒストリア女王に食わせるべきだったんだ

このローグの主張は、おおむね憲兵団の総意と考えて良いと思います。彼らはジークへの疑念から、即時のヒストリアへの継承を提案、調査兵団不在時に憲兵団と駐屯兵団によって裁可されたことが後のシーンから分かります。

 

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-ここまで我々に尽くしてくれたあの義勇兵に遺恨を残すことになってしまうとは…

ナイルは全般に、ローグをやや諫める感じです。対してローグはそれも分かった上で、という返しをします。同様に、ジークがそれで言うことを聞くようなタマか、という問いも、兵団はそのあたりも考えてはいますよということですね。

私は前話の考察で「もしジークや義勇兵に裏が無かったらどうするんだ」ということを書きました。まさにその答えをもらっているわけですが、今回のお話はほぼ全編に渡って、キャラ同士の質疑応答を通じて読者が持っているであろう疑問に答えていってます。数十個のQ&Aが並んでいるような感じといいますか。

 

 

 

 

 

・ヒストリア女王

 

 

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あの男性はレイス領にいた子供でした。私は3つほど可能性をあげていましたが、かすりもしませんでした・・


それはさておき、ローグはヒストリアをこき下ろしながら、ある推測を述べています。

 

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-誰かが女王に告げ口したんだ
-「兵団は即刻ジークを女王に食わせるつもりだ」とな
-だが妊娠しちまえば出産するまでは巨人にされずに済むって
-そう助言した奴がいる

彼らの提議に対抗し、ジークの延命を図るためにヒストリアを妊娠に導いたというものです。それはイェレナだろうとも推測しています。このことに関しましては後述します。

 

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-その正論で国は滅ぶのかもな

何かと諫めてくるナイルへ捨て台詞にように言った、副題にもなっている「正論」。ところで、ローグの言ってることも立派に正論なんですよね。あくまで観点の相違があるだけで、正論と正論のぶつかり合いであるが故にこれだという絶対的な正解が無い、そんな感じに受け止めましたがいかがでしょうか。

 

 

 

 

・マーレ兵

 

 

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サシャの埋葬の日の夜だと思いますが、ニコロが意味深な表情でワインを持ってきます。この後の104期のシーンも同じ夜でしょうが、どちらもまだその後は描かれていません。”この夜”に何かが起こっている可能性はありますね。

もしニコロ達がイェレナと繋がっているならば、睡眠薬などでローグを拘束して何かをするのでしょうか。事前に義勇兵拘束の話を知っていた可能性は高いですが、だからと言って反攻に出られるほどの仲間がいるのかも不明で、ちょっと分かりませんね。数人を巨人化したところでどうなるという感じもありますし、ジークの脊髄液の場合は廃人のような感じ(多分、無意識だけの状態)になるだけのような気もしますし(23巻92話)

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・ヒィズル

 

 

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毎月その怪しさを増していくヒィズル(というかアズマビト?)、今回ハンジが話していた世界の意向は、全てアズマビトが言ったものだというのは注意しておいた方が良い気がします。つまり、アズマビトはパラディ島に他国と仲良くなって欲しくない、ジークの企て通りに進んで欲しい可能性があるということです。前回の会合でジークとの出会いが語られましたが、それもアズマビトの口から出たことです。脚色されている可能性は十二分にあります。

 

 

 

 

調査兵団

 

 

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ヒィズルの件についての結論、ハンジさんちゃんと団長やってるじゃないですか。

 

 

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ミカサさん、力ありすぎです。

 

 

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本当に諌山先生のこういうとこは凄いと思います。6回の「え?」+1回の「ん?」、この一文字の裏にあるキャラの考えとかがセリフのように思い浮かんできます。2人のキャラが「え?」の一文字の言い合いと表情だけで会話が成り立ってしまう作品なんて他にないと思います。ほんと最高。

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ただの感想ですみません・・

 

 

 

 

 


・今月のガビファルコ

 

 

 

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ガビの腕章への執着、それは自分が信じ続けてきたものへの執着でしょうか。それを揺るがすようなことが続けざまに起こる中、完全に失うことは自己の崩壊に等しく感じられるのかもしれません。そこにはとてつもない恐怖と、崩壊すれば痛みが伴うことでしょう。ガビが腕章を手放した時が、「何も知らない子供」から脱皮した時になるかもしれませんね。そういえばカリナおばさんは家の中でも腕章をずっと付けている人でした。まさに「何も知らない大人」の象徴なわけです。

 

 

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ガビファルコを取り巻くご都合時空は、彼女らを本当にサシャの実家へと導いてしまったようです。サシャに助けられた少女と親も、苦悩しながらガビたちに許しを与えるのかもしれませんね。ガビが気付きを得るのはそう簡単ではないと思いますが、やっぱりここは目が離せません。

 

 

 

 

・今月の戦士隊

 

ここもQ&Aです。ジークの背信がマーレ軍内でほぼ確信となりました。大元をたどるならば、ピークの機転が最大の誤算だったということになるでしょうか。ジークの祖父母は人質として活用される可能性がありますね。また、ヴィリー・タイバーの目論見通り主要各国が対パラディ軍事同盟を締結したことも分かりました。

 

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ライナーはジークの思惑をある程度推測し得ているような感じがします。

 

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そして奇襲を提案するのも、ジークやエレンとの対話を求めてるんじゃないかと感じたりします。ライナーは演説中にエレンの意思を感じているでしょうから。もちろんガビファルコの救出が最優先ではあるでしょうが、パラディ島を殲滅するみたいな意図は多分なさそうに思います。むしろその前に、って感じかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 


ここからは妄想全開でまいります。

 

 


・提議

 

まずは兵団あたりの話からです。

今回の話で少し分からなくなったのは、マーレへの潜入が調査兵団として行われたのか、エレン単独なのかというところです。ハンジの宣言通り意欲はあったでしょうから、少数で潜入し、そこからエレンが中東経由してレベリオに単独潜入という可能性もあるわけです。ただし、防衛力の要である巨人と調査兵団が長期に渡って島を離れるというのは実際問題としてあり得ないので、行くとは言ったものの実現できないまま、エレンが少し業を煮やしたような感じだった可能性もあると思いますが、ちょっとはっきりしなくなりました。


それはさておき、今回は憲兵団の傲慢さがかなり描かれているわけですが、やはり旧来の体質は変えられなかったということなんでしょうか。ちょうどアニメでやっていましたが、「順番に役割がまわっている」だけで、それが人間ってものだという描写にも感じます。ただ、やたらと強調されているその驕りっぷりからは、兵団の分裂の足音が聞こえてくるようです。

 

今回、3年前の会議からヒィズルの会合まで、ずっと良識的な諫め役をやってきたピクシスが、”憲兵団に代わって”義勇兵の拘束をしたことが明らかになりました。ピクシスといえば王政打倒の際の調査兵団の同志です。最終的に同志となったナイルが、憲兵の方針に疑義を唱える姿が今回描かれているのも意味深ではあります。

ピクシスは決して調査兵団の味方という描かれ方はしておらず、あくまで彼が正しいと信じる方に付く人物だとは思います。しかし、会議での諫め方などを鑑みるに、彼が調査兵団抜きでの提議の裁可を良しとするとは思えないんです。実際イェレナに言っていた通り、できるだけ見極めようとするのが彼の姿勢で、会議でもそうでした。

そう考えると、巨大樹でのジークの監視を調査兵団がやっていることと繋がりそうです。対巨人という意味でリヴァイは必須とはいえ、一緒に憲兵がいてもおかしくないように思いますが、どうも調査兵しかいないように見えます。つまり、リヴァイはジークを監視するのと同時に、守っている可能性を少し感じるのです。巨大樹の森を選んだのも、立体起動が使える場所なら調査兵の方が憲兵より強いからかもしれません。もちろんジーク対策も兼ねてるでしょうが。これはエレンが合流した当初の旧リヴァイ班の役割と重なりますよね。エレンを監視と言いながらも守っていました。

 

 

ローグが言っていた、ジークを警戒しなければならないというのは作中でも正論として描かれていて、ピクシスも前回イェレナに対して言っていましたし、ジャンにも同意させています。

 

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ただしヒストリアの巨人化に関しては、調査兵団と駐屯兵団(の少なくとも一部)は憲兵団と意見を異にしていて協力関係にある可能性がある、と考えられると思います。しかもそれは、エレンが2年前に言っていた違う方法の模索と同じことですね。

 

 

 

 


・104期とエレン

 

上記の通りだったとすれば、エレンの意志は両兵団と同じ方向を向いている可能性があるわけです。

 

ところで、今回ジャンがこのような指摘をしています。

 

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-かつてのあいつはいくらお前が強くても
-巨人のいる前線から遠ざけようとする奴だった

ジャンからはそう見えたということでしょうが、実際はそうでもなかったですよね。032 エレンの場合 で書きました通り、基本的にエレンは「俺がやって認められなきゃいけない」想いがあったので率先して突っ込んでいくところはありましたが、いつもみんなと一緒に戦っていましたし、”みんな下がってろ”みたいなこともありませんでした。

 

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-世界は…
(中略)
-こちらの意図も量らず…勝手に悪魔だって決めつけて
-どうしてみんなが平和になる道を考えられないんだ…

 

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今回のこのシーン、エレンのアルミンを見る眼差しは”また”こんな感じです。アルミンが言っていることは106話、つまり2年前から何も進歩がありません。あの時すでに言ったように、世界は”化け物”と一緒に平和になる道なんて考えられないのは分かり切ってるわけです。だからこそ、「記憶を見たか?」と聞いたわけですよね。ちゃんと現実に目を向けて、同じステージに来てくれって。

 

そのすぐ後にも、アルミンは同様の夢物語を語っていました。

 

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-僕達が平和を望んでいることを世界が知れば…
-ハンジさんの言う通り
-何かが変わるかもしれない

 

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エレンは残念な面持ちとともに、その夢物語にも理解は示しながら現実的な話を始めます。何かが”変わる”のを待つのではなく、何かを”変える”ことが必要だという感じでしょうか。アルミンがこの3年間、「何かが”変わる”かもしれない」と他力本願なことを言い続けていることは、読者とエレンは知っていますね。

 

 

ここからは、とてもいいシーンでした。

ミカサ←ジャン←コニー←→サシャ でみんなが順番にお互いのことを言い合って、つまり”お前は大事だから”って言い合って、最後にエレンが「お前らが大事だからだ」って。

エレンはお前らと同じだと、お前らを守りたいんだって思ってるんでしょう。そしてそんなお前らが世界に殺されないように、お互い一緒に戦いたいと思っているんじゃないでしょうか。でなければ「みんな来てくれてよかった」なんて言わないですよね。今回ミカサがエレンを分析して言った言葉、全部当たっていると思ってます。

 

 

・・ところで本当に良いシーンだったんですが、やっぱり気になります。

 

もちろん巨人を重ね食いすべきでないのは分かってますが、それはそれとして、あの”輪”にアルミンが入ってないことが。

 

 

 

 

 

・錯誤

 

ところで、今回かなり危険なフラグが立ってしまいました。

 


104期のシーンでも他と同様にQ&Aが続いています。ちょっと書き出すと・・

Q. マーレ襲撃の時、ジャン達は義勇兵を騙しながら戦っていたの?
A. いいえ。調査兵団義勇兵の拘束を知らされていませんでした。

Q. ミカサはもうエレンのこと特別じゃなくなったの?
A. 特別です。揺れているかもしれませんが、まだ一番大事です。

Q. ヒィズル以外の友好国はできないの?
A. できません。ヒィズルに断られました。

Q. パラディ島はアッカーマンが”巨人化学の副産物”だって知ってるの?
A. 知りません。ただ、何か異なる人種である可能性は感じています。

Q. 105話の涙して悔しがるエレンは兵団の人から見えたの?
A. おそらくジークにしか見えていません。少なくともコニーとジャンは見えていないで確定です。

これでも端折っていまして、さらに多くのQ&Aで事実が確定させられています。


なぜそんな分かり切ったことをわざわざ書いたかと言いますと・・

 


こうして事実ばかりが並んでいる中にひとつだけ、”ただの推測”が紛れ込んでいます。読者の中にはこれを確定した事実だと思ってしまう方もでてくると予想します。それがこちらです。

 

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-ジークが何かを企てていたとしてもエレンが望まない限りそれは叶わない

多くの事実の中に、さりげなく事実ではないことを最もらしく入れておくと、人間はそれも事実だと錯誤しがちです。しかも”賢い”アルミンに言わせてることで後光効果まで期待できます。108話がQ&Aだらけになっているのは、多分このためではないかと推測します。

 

アルミンは賢いですが、間違うこともあることは 026 手から手へ で書きました。そして、今回のこの”推測”の根拠はかなり怪しいものです。

 

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-つまりダイナの巨人は「始祖の力」を呼び出す触媒であっても
-命令を下す方ではない
-命令を下したのは始祖を持つエレンだ
-この仕組みはエレンとジークにもあてはまるはず

「~はず」って言ってる上に次のコマで小さく「ーだとすれば」って言ってますので、いずれにしろ”推測”でしか無いんですけど、ほんとアルミンは断定口調がお好きなようで、そこ以外は言い切ってしまってるのがキモかもしれません。

この根拠としている、「この仕組みはエレンとジークにも当てはまるはず」って無茶苦茶な理屈です。比べてる対象が違いすぎるんです。片や意志なんておそらく持っていないダイナ”無垢”巨人と、意志は当たり前で危険な思想も持っている可能性があるジークを同列に並べるなんて、例えるなら赤ん坊と大人を同列に語っているようなものです。

 

言い方悪いですが、頭悪いか、さもなければ悪意があるとしか言えません。”意志”が焦点になっていることを考える時にその”意志”の存在が不明確な無垢巨人を引き合いに出すなら、”かもしれない”の語尾なしでは言えないようなことを、アルミンは残念ながら断言しています。

あ、実はディスってるわけではないですよ。それも伏線だと思ってますので。

 

 

アルミンの言っていることは以下のような展開を生みだすことに役立ちます。

 

 

これ、いわゆる”ハメ”のシチュエーションです。まず、当たり前ですけどジークが「私はお前たちを騙そうとしてます」なんて言うわけがありませんよね。つまりエレンには「みんなを守るためには~」と話しますから、エレンとジークの見掛け上の目的は一致しているはずです。もしもアルミンがエレンと対話できたとして、エレンは同じ目的を持っていると思うと語るでしょう。アルミンは疑いの目から入ってますので、エレンがジークを完全に信用してるわけじゃないことも含めて正直に話したとしても、「エレンとジークは何かを隠している」でアウトにすることができます。隠していないことの証明はできませんからね。

 

では、そこをどうにか乗り越えたとして、力の発動までいったとします。周囲は「エレンが私たちを害する意志が無ければ、悪いことは起こらない」と思って発動を見守ることになりますよね。ここでジークの意志が反映されたらアウトなのは当然です。さらに、それにエレンが気付いて止めようとしたりしても、周囲はこう思います「エレンが私たちを害そうとしたんだ」。しかも、誰もアルミンの”推測”の誤りを疑うことはないでしょう。だってアルミンが言った通り、「エレンの意志でそうなった」ように見えるわけですから。

 

一応、セーフになる可能性としては、ジークが本当に純粋に全エルディア人を守るために正直に全てを話して、パラディもそれを信じて、その通りのことをした場合が一つ。もう一つはアルミンの推測が合ってる前提で、ジークは自分の意志で行使できると思い込んでいて、結局ジークには何もすることができなかった場合です。ありえると思いますか? 基本的にアウトの道しか残らないように思います。

つまり、このアルミンの”推測”が事実のように島内で広まったら、エレンは詰むことになるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

-ばくちうち-

 

やっぱりフードの人に関して語らずにはいられないので予想します。ちなみにヒストリアの旦那さんは思いっきりはずしてますので、生温かい目で見てくださる方のみご覧ください。

 

まず前提として、この密告者の存在はローグの推測でしかありませんが、絵まであって実は何もありませんでしたってのは多分この作品では無かったような気がするので、推測通り密告があったものとして考えています。また、イェレナだろうとローグが言っているので、多分イェレナでは無いとも思っています。

 

 

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遠近法の都合で分かりづらいですが、それほど身長は高くなさそうに見えますね。ヒストリアが扉の横木から少し頭が出るくらいなのを考えると、ヒストリアより頭一つくらい出る感じでしょうか。やっぱりイェレナにしては背が低いような感じがします。逆にリヴァイにしては高すぎるように思います。リヴァイはヒストリアとかぶる要素がたくさんあるので、初見はリヴァイかと思ったんですけど。

 


エレンが身長的にも話の展開的にもありそうなのですが、私の予想はミカサです。

 


ミカサはヒストリアとの絡みが作中にちょこちょこ描写されている上に、一つの転機をヒストリアから与えられていると思うからです。

 

 

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今月のこのシーン、溜めの一コマは多分”あの時”を思い出しているように感じます(12巻48話)

 

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お互いが守りたい人のためにぶつかり合った2人、当時のヒストリアは引いてユミルを守る決断をしました。今回のミカサはあの時のヒストリアと同じ立場だったわけですが、一瞬逡巡した後、矛を収めてエレンを信じる発言をしています。つまり、引いています。

 

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-だから私達以外の外部に対して攻撃的になったのかもしれない

あの時のユミルも、ヒストリアを守るためにミカサや兵団と戦おうとしていました。

 


ミカサは”あの時”のエレン奪還戦まではエレン以外の同期に全く関心を寄せていませんでしたが、続く王政編からは仲間たちを気遣う姿が描かれていきます。おそらくその転機がヒストリアとの本音のぶつかり合いではないかと思います。

 

その気遣いの最初もヒストリアでした(13巻51話)

 

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当時、仲間内で浮いていたヒストリアと薪割りをし、さらに食事の用意も一緒にしていました。地下洞窟では鎖で繋がれてるエレンは置いておいて先にヒストリアを助けたりもしていましたね。

そして前回、似たような境遇のミカサがいてくれて頼もしいというヒストリアの発言を描かれています。そんなミカサのアドバイスならヒストリアも受け入れやすいかもしれません。ただでさえ言いにくい、受け入れづらい事柄ですから、男性より同じ女性が言う方がヒストリアも腹を括りやすいでしょう。ミカサならアッカーマンらしく、「生きるために」ということを含めて端的に話ができるはずです。

また、みなさんお気付きの通り、今回なぜかミカサがユミルとかぶるような描き方がされていましたが、もしかするとこれを示唆しているのかもしれません。

 

エレンがヒストリアを犠牲にしないことを表明した以上、ミカサがそれに沿った策をヒストリアに授けることは、至って自然ですし動機としても十分です。きっかけは分かりませんが、今回の憲兵の描かれ方から、憲兵→マーレ人給仕かニコロ→イェレナ→(調査兵団)→ミカサみたいな情報の線も考えうると思います。イェレナにとってもミカサに恩を売るというか、仲良くしておくメリットはありますよね。もちろん、ミカサ単独だったり、エレンの思いつきだったりという可能性もまだあると思います。

提議に関しては時系列がはっきりとしていないところがありますが、ヒストリアの妊娠がエレンに火をつけた可能性がありますので、105話のミカサへのアルミンの視線にも結び付くかもしれません。

 

 

まあこれだけ根拠があれば、1%くらいの確率でミカサですね。間違いない。

 

 

-ばくちうち おわり-

 

 

 

 


あとミカサついでに、妄想をひとつ。

 

 

1年前の回想でみんなが現在の髪型に近づいている中、ミカサだけはユミルでした。多分ミカサが髪を短くしたのは、エレンが単独行動を始めてからじゃないかと思います。ミカサにとって髪の長さは、エレンとのつながりを感じさせるものだからです。

 

ちなみにエレンが今までミカサに”してくれたこと”は、作中に限れば大きく4つです。

・最初に助けてくれたこと
・髪を切ることを提案してくれたこと
・頬に傷をつけたこと
・座標発動の時に守ってくれたこと

 

頬の傷がアッカーマンの治癒力をもってしても治らなかったのも、おそらくそういうことじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

 

written: 10th Aug 2018
updated: none