013 物語の考察 メガネ
みなさんこんにちは。
今回はとある一つの可能性についてのお話なんですが・・
!!閲覧注意!!
今回の考察は、ある程度の確信めいた要素があり、また事実であれば今後の物語において一つの大きな鍵になってくる可能性を孕んでいます。これをお読みになることで、物語で明かされた時にあなたが感じる驚きなどを損なう恐れがあります。それを踏まえた上で、見る、見ないは自己責任にて、ご選択くださいますようお願いいたします。
上記の注意をご了解いただけた方のみ、どうぞお進みください。
この記事は最新話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。
※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。
[メガネ]
(13巻51話)
ある人物に関して、一つの伏線と思われるものを発見しました。その伏線により、その人物の今後についてある推測ができます。
この考察は、以前の 010 巨人化学① 知性巨人の器 - 進撃の巨人を読み解く にて述べたことが下敷きになっていますので、事前にそちらをお読みになってからご覧ください。
どうぞ、今一度ネタバレの可能性をご考慮の上、よろしければお進みください。
では、始めます。
うざい意志確認を繰り返しましたこと、大変失礼しました。
知性巨人の器 を読んでいただいたみなさまは、エレンとアルミンが知性巨人の継承前から、夢などを通じて他者の記憶を見たことがある、ということは確からしいとお分かり頂けたかと思います。私はそのことから「ユミルの民は全員が記憶を見られる可能性がある」というところまで発展させて推測を行っていますが、この推測は関係ありません。その根拠にしている、上記の二人の事柄に関しては、作中に書かれている”事実”といってほぼ間違いない、ということだけ念頭に置いてください。
エレンとアルミンは、それらをはっきりとした知識として持っていたわけではありませんが、記憶の奥底に保持しており、彼らの思考や発想に影響を与えていました。
それと同様のケースが、もう一人、見つかりました。
タイトルでピンときたとは思いますが、これは、ハンジ・ゾエに関するお話です。
エルヴィンの跡を継いで第14代調査兵団団長となったハンジは、分隊長時代から頭脳派として活躍をしてきました。その分析力は作中でもピカイチで、物語の数々の謎は彼女の言葉で答えを与えられてきたわけです。
しかしながら、どうも当時のハンジの知っていることを考慮しても突飛な発想をしたケースが2つあります。
まず一つ目は、レイス領礼拝堂の地下の件です(16巻64話、65話)
こちらがその地下空洞です。これは、16巻64話にてロッド・レイスにより、ある巨人の力によって創造されたものだとヒストリアに説明されていますが、ハンジ達がそれを知るのは後のことです。
当時ハンジは、レイス領で起こった盗賊による襲撃事件の報告から、事件に巨人が関わっている可能性を察していました。そこから、巨人が入れるであろう大きな空間があるだろうと想像することは可能でしょう。
ところで、巨人が入れる空間といったら、どんな風景が思い浮かびますか?
私は普通にだだっ広い空間を思い浮かべてしまうのですが、あの地下空洞には多くの支柱がありました。しかし彼らの作戦行動を見るに、それさえ予期してたかのようです。アルミンも「ハンジさんが予想した通りだ」と言っています(16巻64話)
ちなみに、ここと似た空間がマーレにもあることはポルコが教えてくれています。(23巻93話)
二つ目は、「始祖の巨人」という呼称です(17巻67話)
これは、ロッド・レイスが無垢化した後、エレンらと合流したハンジが、ヒストリアの話を聞いて”仮に”名付けた呼称です。それ以前のロッド・レイスの話には”始祖”という単語は出てきていません。そしてハンジが仮に名付けたはずのその呼称は、現在では当たり前にマーレの人々すら使っているのはご存知の通りです。これは、エルディア帝国の時代からそう呼ばれていたということでしょう。
これら2つの事柄は、ハンジが何やら知りすぎていることを匂わせますが、それだけでは根拠としては薄弱でした。
ここでいったん話が飛びます。
以前、予想(というか妄想)として、ハンジとピークが遠い親戚関係にあるのではないかと書いたことがあります。これは単に顔が少し似ていることから、ただ予想しただけのものでした。
改めて説明します。
目の形と眉が異なりますが、額から鼻にかけてのTゾーン、唇、瞳、アゴからエラの部分が似ているように見えます。
進撃では血の繋がりが重要な要素であり、血縁関係にある人は顔の一部を意図的に似せて描かれているであろうことは、お気付きのことと思います。
さらにこれを後押ししていたのは、ハンジもピークも頭脳派なキャラとして描かれていることでした。また、9つの巨人保有者という重要な立場であるにも関わらず、ピークの苗字だけ伏せられているというのは、そこに出せない理由があるからだということも推察されます。ピーク・ゾエとなっていたら、誰もが気付いてしまうわけですからね。(ただし、これはキルシュタインでもスプリンガーでも良いわけで、ハンジと特定できる根拠にはなりません)
さて、今回の記事は、このハンジとピークの繋がりを思わせるシーンが見つかった、ということです。それは、先述したエレンやアルミンのケースと同様で、ハンジは知らず知らずのうちにピークの記憶を夢で見て、その発想力のベースにしていたのではないかと思われるものです。
25巻100話にて、落とし穴に落とされたピークは、ポルコにこう説明しています。
戦士を拘束する仕掛けだろうね
マーレはいくつか用意してあるんだ、こういうのを…
古典的だけど、この狭さじゃ巨大化できないね…
実際に見たことがあったのか、人から聞いたり本で読んだりしたのかはわかりませんが、ピークはこのことを以前から知っており、それが巨人の拘束に役立つことが分かっていました。
この穴をよく見てみると、円筒状になっており、その上から建物が建てられていることがわかります。石造りであることも合わせると、おそらくこれは古井戸ではないかと推測されます(25巻100話、101話)
ここで物語を6巻25話までさかのぼります。
当時、エレンを手に入れた調査兵団は、その巨人化能力を調べるため、実験を行いました。あの懐かしのティースプーンのシーンです。
この時、当初拘束用の仕掛けとして使ったのが、涸れ井戸でした。そしてこれはハンジの発案によります。
つまり、ハンジはピークの記憶から巨人を拘束する発想を得ていた可能性がある、ということです。
もちろん、ピーク以外にもこの仕掛けを知っている人は多くいるでしょうから、そちらからの記憶でも良いのですが、そこに顔とキャラの性格付けが似ていることが加勢してきます。
そもそも、ピークは知恵者として描かれているわけですから、拘束の仕掛けのことを知っている必要はありませんでした。その場で、これは巨人化したらマズイと気付いても不自然ではありません。むしろポルコも知らないわけですし、ただでさえ情報を制限されているマーレのエルディア人は、知らないほうが自然なはずでした。このことをピークが知っていたのは、ピークの先祖、あるいは以前の車力の記憶が関わっている可能性もあります。
これらのことは、エレンとアルミンのケースと非常によく似ています。つまりそこから導き出されるのは、今後ハンジが知性巨人化する可能性が非常に高くなった、ということです。そしてそれは車力である可能性も高いと言えるかもしれません。
ただし、ヒストリアという例外のケースも現状では残っていますので、巨人化はしないが記憶を見てた、という方向に流れる可能性もないわけではありません。
いずれにせよ、これだけの伏線を散りばめている以上、ハンジは物語において、より重要な人物になってくるのは確実といってよいでしょう。どういう流れでハンジが継承をするのかは現時点では想像できませんが、今後の展開が楽しみになってきました。
-おまけ-
ハンジは井戸と何やら縁があるのか分かりませんが、シガンシナ戦でモブリットに命を救われた時、超大型の爆発から身を守ったのは井戸でした(21巻84話)
これに何か意味があるのかは、わかりません。もしかしたら作者からの、ヒントなのかもしれませんね・・
-おまけおわり-
本日もご覧いただき、ありがとうございました。
written: 3rd Apr 2018
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