進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

014 最新話からの考察 104話① 要点チェック

みなさんこんにちは。

 

めまぐるしい展開の104話が公開されました。回想(謎解き)パートまであと少し・・だといいんですが。まずは気になる点をピックアップしていきます。

 

 

この記事は最新話である104話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。

 

 

 

 


[104話 勝者]

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・超大型

 

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だいぶ姿が変わっています。鼻が無いのは想定通りでしたが、耳も無くなっていました。逆に左目はちゃんとあり、顔も対称になっています。ベルトル版にはなかった唇もあるようです。爆発でやせ細っているからかもしれませんが、首の骨まで露出しています。足首はやはり、つまった感じになっているので、こちらは超大型の形質ということでしょう。

 

アルミンはずいぶんとベルトルさんに対するシンパシーのようなものを感じているようです。幼い自分が見た景色の反対側を、ついに見る立場となったこと、あるいは、一瞬にして多くの人と建物を破壊し、更地を作り出してしまう超大型巨人の恐ろしい力への実感から、の言葉とも言えるかもしれません。

 

 

 


・ジャンと車力

 

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ジャンが雷槍を発射する瞬間の、目の表現が非常に気になります。本人も自分がはずしたのかと訝しんでいます。もちろん、車力の力が同時に働いていることは確かでしょうが、それだけなんでしょうか。ジャンは過去にも殺す、殺さないという葛藤がありました。

 

ピークの排出で蒸気を上げたのは、ファルコを守るために車力がやった、と見てよさそうです。ただ、こちらの一コマを見ても、ピークにはまだ何かがありそうですね。

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・ファルコ

 

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ファルコはとても優しく思慮深く描かれています。先月はつい「クルーガーさん」と言ってから言い直してたりもしています。ライナーを戦いから解放してあげたいと思っていましたが、この瞬間、友人の死を初めて知り、ガビに導かれるようにライナーを呼び起こします。おそらくエレンに言われた「前に進んだものにしかわからない地獄の先にあるもの」が綺麗事ではなく実感に変わっていくきっかけでしょうか。エレンがなぜここまでやるのか、ということをファルコが理解する第一歩にも感じます。

 

 


・光の道

 

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照明の設置は一つの道を照らすものでした。この道路はガビが病院との往復でも使った道のはずで、戦士隊のレベリオ帰還時の入口と同じようにも見えるのですが、いまいち方向関係がはっきりしていません。門外にマーレの増援部隊等も描かれていないので、別の入口なんでしょうか??

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(23巻94話)

 

 

 


・飛行船とオニャンコポン

 

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この飛行船は中東戦争でマーレ軍が使っていたのと同じ型のようです(23巻92話)

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ニャホニャホタマクロー オニャンコポンが着ているのはマーレの軍服ですので、マーレ軍のを拝借したということでしょう。ということはオニャンコはフクロウ的な立場の人間だと考えられます。そして、マーレ軍内の外国人部隊の存在の示唆でもありますね。それどころか、海軍の水兵たちもそうだったのですが、マーレ軍というのは外国人の割合が多いかもしれません。マガトが以前指摘していた国民性を考えれば、当然なのかもしれませんが。

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(103話)顔つきが外国人っぽい、カタカナの「オーイ」もそんな雰囲気です。

 

しかし協力国のヒィズル(とは限らないですが)はなかなか尻尾を出しませんね。


オニャンコのようなアフリカ系の黒人が描かれたのは、パーティでの大使に続いて2度目です。それ以外はマーレでもパラディでも出てきていません。そんな人物が兵団に協力的だということは、世界が一枚岩では無いことを如実に示していると言えるかもしれません。東洋人のことを合わせても、エルディア帝国時代が他民族にとって、それほど”悪”ではなかった可能性がありそうです(マーレは別として)。オニャンコにユミルの民の血が入っているかどうか、非常に気になるところでもあります。もし入っていなければ、世界の少なくとも一部は、エルディア帝国うんぬんよりも、マーレの支配への反発が強いということも考えられます。

 

ところで、もうご存知かとは思いますが、オニャンコポンってのはガーナの天空神だそうです。

 

 


・兵団の作戦を顧みる

 

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アルミンの言葉からは、「エレンがタイバーの思惑に乗っかって世界を敵にまわしかねない道を選択した」以上、後はみんなを連れて撤退することが必要不可欠だ、ということが分かります。つまり、兵団のこの時点での作戦目標は既に完了している、ということになります。

 

兵団とエレンが既にしたことは・・


-マーレ軍中枢の破壊
-戦鎚、および抵抗する巨人の破壊
-海軍の一部殲滅
-宣戦布告したマーレへの報復、あるいは戦勝を、世界へ発信すること

 

といった感じでしょうか。

 

マーレ軍は一時的に機能不全に陥るでしょうが、長い平和が約束されるわけではありません。つまり、撤退後の次なる目標があるということを考えると、上記の他に何かプラスアルファがありそうに思います。

 

まず、アニ水晶を持ってくるという私の予想は見事にはずれましたが、アニ父の伏線いろいろを回収するのであれば、これも+αになりそうです。そしてやはりジークですよね。この二人は連れて帰る可能性がありそうです。現状のままならジークは死亡と処理されるでしょうから祖父母の心配はいったん無くなりますし、リヴァイが全然出てきてないのもそれっぽいです。フロックもあれ以降登場してないようなので、なんらかの別動隊が動いてる可能性は高いですね。アルミンの言う「みんな」にはジークたちも含まれているかもしれません。

 

余談ですが、ジークは爆発の直前に連れ出した、というのが有力になったかもしれませんね・・

 

 

 


・戦鎚、顎

 

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ミカサのこのセリフは意味深です。巨人のノウハウがあるマーレの英才教育の賜物、というのはもちろんあると思いますが、それ以上のものがあるような気もします。

 

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回を追うごとに、だんだん美人になっていた感のあるヴィリー妹さん。久々のエグい惨殺シーンでした。ゾフィアもエグかったけど、ここまで衝撃的なのはいつ以来なんでしょうか。また、たなぼた的ではありますが、エレンは3つ目の知性巨人を有することになりました。さらに戦鎚の記憶が入ることで、元のエレンからはかけ離れていくんでしょうね。それにしてもエレンの安定感と成長っぷりは凄いですね。

 

 

 

・ミカサ

 

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これは昔、エレンに言われた言葉ですね。ミカサにとってはとても大事な記憶の一部ですが、彼女の根底に一貫して流れているのは、「あの頃に戻りたい」という気持ちのようです。そして前述のように、それとは反対の方向へ突き進んで行ってしまうエレン、といった感じでしょうか。まあエレンの見据えてる先の先は、ミカサと同じところなのかもしれませんけど。

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(18巻72話)

 

 

 


・ライナー

 

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叩き起こされてしまった、可哀そうなライナー。顔が本人のままの不完全な巨人化は斬新です。

 

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これは、エレンの体力もそうでしょうが、おそらくライナーの生きることへの意思が関わっているように思います。

 

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とても切ない、エレンの表情です。


今のところ、エレン vs タイバーあるいは兵団 vs マーレという意味では、パラディ側が「勝者」である展開なわけですが。どうも104話の主役はライナーにしか見えないんですね。

 

 

ここから妄想全開の超解釈です。

 

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エレンは”待っていた”ようにも見えます。ガビたちの声はエレンにも聞こえたはずですし、顎を喰うなら一瞬で終わるはずでしょう。体力が残っていないとはいえ、変にあきらめが良すぎるようにも感じます。

 

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ミカサの表情がなんとも言えません。驚くでも喜ぶでも悲しむでもなく。エレンがやっていることを「ただ見てる」感じにも、若干あきれているようにも受け取れます。

 

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最後のエレンは、「また苦しませるようですまんが、生きてまた会おう」ということでしょうか・・

 


本日もご覧いただき、ありがとうございました。

 

written: 9th Apr 2018
updated: none