進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

009 最新話からの考察 103話② ジーク・イェーガー

みなさんこんにちは。

 

 

今回は103話の展開を踏まえて、ジークについて考察してみたいと思います。だいぶ長くなってしまいましたが、よろしければお付き合いください。

 

 

 

 

この記事は最新話である103話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。

 

 

 

 

 

[ジーク・イェーガー]

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まずは事実関係を見ていきましょう。

 


中東戦争後の会議(23巻93話)

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中東戦争終了直後の会議にて、始祖奪還作戦の再開を元帥に進言しています。
この発言は、マガトの表情や、「話を聞いていたのか」というセリフで分かる通り、マガトとの事前相談などのない発言です。会議後にはマガトは「底知れぬ」ヤツだと言っています。マガトとの距離を少し感じさせます。また、会議後のシーンでは自分が王家の血を引いていることをマーレには隠している事実が判明しています。

 


・祖父祖母との再会(23巻94話)

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レベリオ帰還時の祖父母との再会シーンでは、その優しい目線からジークの人となりや、家族への思いを想像させます。「まだだよ」というセリフから、自分にはまだやることがある、と考えてることが読み取れます。

 


・思想調査(24巻95話)

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まず、大変な読書家(?)であることが分かります。書棚に入りきらず、床の上からソファの下まで本があふれているようです。

 

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また「この部屋にはいない」という発言によって、盗聴されていることを匂わせています。マーレの思想調査への反抗、あるいは仲間への気遣いとも言えるでしょうか。残念ながらライナーとピークしか気付きませんでしたが。マーレ側ではマガトが気付き少々ご不満な様子です。王家の血の件と合わせても、マーレに絶対服従している感じではないようですね。

 


・思案(24巻98話)

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ちょうどエレンの手紙のシーンを境に、眼鏡が曇って、いや、目を描かれないシーンが続きます。と同時に周囲の人間から離れているような、心ここにあらずというか、何かを思案しているという風に感じられます。

 


・キャッチボール(24巻98話)

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このキャッチボールの少し後、初めてガビに勝ったファルコが病院のエレンを訪ね、そこにグラブとボールがありました。エレンとジークが直接会ったことを匂わせていますね。
ジークの「行くぞ」にコルトは「えっと…どちらへ?」と返しており、またコルトのノーコンぶりから、普段からキャッチボールをしてたわけではなさそうです。初めての可能性すらありますね。継承を視野に入れているなら、せめて投球術くらいは教えていてもいいはずなのに、とも思えます。
また、「それが兄貴ってヤツだろ」というセリフは、グライス兄弟の話をしながら、ポルコにやんわり教示しているわけですが、それはまた自分の心情の吐露にも感じられます。

 


・襲撃前

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まず、ファルコに呼ばれたライナーを、意図はどうであれ促したのは事実ですね。時計をしていることにも注目です。(24巻98話)

 

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その後、正門へ向かうようにというロープ兵の指示にも素直に応じています(25巻99話)。ピークはここで違和感を感じているようですね。それもそのはず、マガト隊長が呼んでいるはずのになぜ目的地が別なのか、と思いますよね。

 


・襲撃後
襲撃前にジークは入口に向かいました。この時点でジークはフリーです。その後、ピークポッコが穴に落とされ、さらに時間が経って襲撃が始まりました。
地鳴りを聞いた後、ピーク達は脱出し、収容区外にある本部に機関銃を換装しに行きます。当然、入口を通ることになるでしょう。移動時間を含めているかは分かりませんが、ピークは換装を10分と見積もっています。
ポルコは先に現場へ、ピークはやや遅れて機関銃を装備して到着しました。そこからさらに遅れて、巨人化したジークが到着しました。

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ピーク真顔になります。マガトも真顔というか、複雑な表情です。マガトは何かを知っているかもしれませんね。(25巻102話)


誰もが考えている通り、ジークの行動には不可思議な点がありますね。ピーク達が落とし穴の中で地響きを感じているのですから、それから現場へ向かえば少なくともピークよりは先に着くでしょう。

 


・戦闘

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描かれている限りでは、ジークの投石はほぼ地面に対して行われています。1回だけ、大きく振りかぶって縦線状に投石を行いました(103話)。立体起動からすると、かわしやすいかもしれません。

 

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対してピークは機関銃による面での一斉射撃が立体起動には効果的だと理解し、実行していますね。(25巻102話)

 

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「エレンは俺の敵じゃない」とは、2つの意味にとれるわけですが、ここでピークは再度の真顔です。ピークはシガンシナでジークがエレンに語りかけているのも聞いていますが、その時の表情も見てみたいものです。

 

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リヴァイに対し「時間がないんだろ?」と言います。これはピークの分析からの流れでもあるので、兵団側は時間が経てば経つほど積んでいくことを意味しているようにも取れますが、それを相手に言う必要性があるんでしょうか。そして、時間を稼げば良いのなら、敵をわざわざ誘い出す必要もないはずです。ジークは、ウトガルド城でも、シガンシナでも、兵站の破壊を最初に仕掛ける、正統派な兵法を用いています。一騎討ちに逸るタイプでは無いはずなんですが。
逆にもう一つの意味、兵団側が言ってる「時間」のことだとすると、なぜジークがそれを知っているのか、という疑問が湧いてきます。

 

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しかもその後、奇襲を受けて身動き一つせず倒されました。そしてリヴァイは一回の斬撃のみで死亡確認を怠りました。(103話)

 

リヴァイの強さは、その人間離れした動きからの連続攻撃にあると思います。獣も女型も、対応する間を与えられないまま体中を切り刻まれて、敗北させられました。リヴァイは今回は一太刀入れたのみ、これが事実です。

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(20巻81話、7巻30話)

 


といった感じで、裏が無いと言うほうが難しい状況ですが、ではどういう意図でそれを行っているのか、考えてみたいと思います。

 

 

 

ジークが何を考えているかを探るには、彼の人となりを考えてみる必要があります。
さて、みなさんのジークへの印象はどんな感じでしょうか。

 

何か我々一般人とは違った異質な人間だと感じますか?
それとも、優しく聡明な普通の人と感じますか?

 

私は後者なのですが、もし前者だと感じられる方は、もしかしたらある誤解がそうさせているかもしれません。これは作者も狙って仕掛けている節があるので、誤解して当然なのですが、ジークの内心を知るためには邪魔になる可能性がありますので、誤解を解いておきましょう。

 


その誤解とは、ジークは7歳にしてマーレに親を売った鬼畜な人間だ、ということです。

 


王家の血を引くことも相まって、ジークを普通の人間とは違うように思わせ、理解不能に感じさせている原因はこれが大きいんじゃないかなと思います。そりゃそうです、親を売るなんて血も涙もないのかと、それもたった7歳の子どもがです。末恐ろしいですよね。

 

 

それでは誤解とはどういうことか説明していきます。

 

まず、グリシャはマーレの戦士募集を聞き、それに向けた教育をして、7歳の時に告発されたのはご存知の通りです。

ジークがなぜ告発をしたかは、ジークの立場にたって考える必要があります。私は7歳児レベルの知能しか持ち合わせてないので簡単なのですが、みなさんは自分が7歳くらいの時のことを思い出してください。現代日本で言えば小学校2年生くらいですね。

 

思い出していただけましたか?

 

私の場合を例に挙げさせていただきます。はっきり覚えていることはそれほど多くはないのですが、毎日暗くなる頃にはちゃんと家に帰っていたなあと思います。今の自分からは考えられませんが笑

 

それはなぜかと考えれば、たぶん親にそうするよう言われていたからです。

 

心理学など持ち出せば、承認欲求とかなんとか理由付けはあると思いますが、そんな難しいことはおいといて、当時は親に言われたらなんとなく従っていたと思いますし、これほど記憶もあいまいなくらい、たいしてあれこれ考えたりもしていなかったような気がします。考えてたのはせいぜい親に構ってほしいとか、友達と遊んだら楽しいとか、そんなレベルだったように思います。みなさんはどうだったでしょうか?

 


おそらくこれが7歳児の視点です。

 

さて、7歳児の視点に戻れたところで、こちらをご覧ください。(22巻87話)

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ジークは親を売ろうなんて思ってないことに気付きましたか?

 

お父さんがマーレの言うことを聞きなさいと言ったから、マーレの言うことを聞いただけではないでしょうか。ただ単に、親の言いつけを守ったように見えるのです。おそらく何も考えずに。

 

結果としてマーレに売ったことは変わりませんが、本人の心情としては正反対です。そもそも自分がしていることの意味や、もたらす結果など理解できていないんじゃないでしょうか。ジークは、お父さんとお母さんが大好きで、言われたことを守って褒めてほしかっただけの、ごくごく普通の子だったと思えるのです。

 

そもそも、この作品に出てくる登場人物は今のところ普通の人間しか書かれていないように思っています。
どのキャラも、時に勇敢だったり、時に後ろ向きになったり、自分が得するために人を陥れたり、全体の利益よりも自分の都合を優先させようとしたり、とても人間くさいのです。凡百の物語にありがちな、ただただ世界を憎んで悪の権化になったり、自分を顧みず世界平和のためだけに滅私奉公して戦ったり、そんな”特殊”な人がいないのです。それはこの作品の魅力の一つだとも思います。

 

そして、ジークを普通の人間だと思って各シーンを素直に見ていくと、その言動も普通で自然なものに見えてきます。

 

 

ここでいったん話を戻しまして、ジークの「告発」をそのように解釈すると、ある憶測への強い根拠が生まれてきます。

 

ジークは親の言いつけを守り、マーレの言うことを聞いて親の「告発」をした。ということは、そこには「告発」をさせたマーレの何者かの存在が必要不可欠です。

 


そこで再度そのシーンを振り返ってみれば・・(21巻86話、22巻87話)

 

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おそらくみなさんが予想はしていた”あの人物”が浮かび上がってきます。マーレ人でありながら、グリシャ達の活動を知り得ていて、そしてこれをすることに納得のいく理由がある人物です。

 

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ご存知の通り、クルーガーは間もなく寿命で、時間がありませんでした。彼の人生の目的であるエルディア復興を成すためには、誰かに進撃と、始祖奪還の使命を引き継がなければなりませんでした。

 

この時のクルーガーすごいです。これは神の一手と言ってもよいと思います。

・行動力と医学知識に富む人物に進撃を継承し、マーレに詳細を知られることなく壁内に潜入させ始祖奪還を託す
・ダイナは犠牲になりますが、王家の血はちゃんと残る
・その「告発」を餌に、マーレの巨人を1体強奪する

巻き込まれたイェーガー家はたまったもんじゃありませんが、クルーガー自身が言っていた通り、彼は目的のために非情に徹して同胞を楽園に送ってきた人物です。これぐらいのことをやってのけてもおかしくありません。

 


ということは、ジークにはフクロウの息がかかっている可能性が高くなります。もちろん、これだけでジークがフクロウに味方をする確証にはなりませんが、小さい頃から教えられたことは、その後の考え方などの形成に大きな影響があることは間違いないでしょう。

 

 

ジークの心情に話を戻します。


ジークはその「告発」によって両親を突如として失います。初めはわけがわからないでしょうが、歳を重ね、物事を知っていく内に、そこで何が起きたのかを理解することでしょう。それが自己防衛のために親への恨みへと転換されてもおかしくないと思います。
しかしながら成長して自分のおかれている社会の状況を知れば知るほど、親がやろうとしていたことの真意が見えてくることでしょう。でもそれを認めることは親が自分にしたことを認めることであり、葛藤が生まれるでしょうか。「何 本気になってんだよ?お前は父親とは違うだろ?(20巻81話)」と自分に言い聞かせるかのような独り言も、自分はもっとスマートにやれる、やらなきゃいけないという心情を感じさせます。ただ、このへんの感情は、両親に充足して育ったエレンとの溝になる予感はあります。

 

さらに、自分たちで終わりにしたいんだ、と願う気持ち、それもジークのこれまでの過酷な人生を考えれば、理解できます。なぜかエルディア人ばかりが罪を背負い、エルディア人同士で命を奪い合うために、子どもたちの命まで捧げている、この非合理な状況を打破したいのでしょう。彼はこの考えを、ライナーとベルトルさんに素直に話しています。マーレのためではなく、自分たちの悲惨な歴史を終わらせることが目的なんだ、と言っているのです。(19巻77話)

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その点において、エレン(兵団)とは向いている方向が一緒だと言っても良いかもしれません。

 


ジークが考えている具体的な方法は分かりませんが、巨人をなんとかしたいと考えれば、やはり始祖の力が必要になるわけです。ジークは王家の血を引いてますから、自分が始祖になってしまえば良いわけですが、現在始祖を宿しているのは少なからず情を抱いている腹違いの弟でした。ならばその弟を食う、というのは最終手段であって、可能であれば共闘したいと考えることでしょう。

とはいえ、現状では表立ってエレンや兵団に協力することはできません。ジークには大事な祖父母がいます。当然、自分のマーレへの背信行為が発覚すれば祖父母に危害が及ぶことは想像に難くないです。つまり何をするにせよ、マーレ側の誰にも見られない、もしくは、見られても不自然ではない必要があります。

 

 

これらを踏まえて、現状を俯瞰してみましょう。

 

ジークは自分がパラディ島へ行ってエレンとコンタクトをとり、協力を模索するため、あるいはエレンの対応次第では始祖を奪取して目的を達成することを企図して、始祖奪還計画の再開を提案したのではないでしょうか。その後、実際に計画の再開が決まりましたが、タイバー家が動き出したことによって、情報戦が始まります。そしてその頃、フクロウを通じてエレンから連絡があります。

 

 

ところで、マガトが「使える柱」「そのもの達によれば」と言っていたように、間諜のような存在がいるわけですが、私はそれはフクロウの手の者ではないかと思っています。少々の情報を与えることで信頼を得て、相手の懐に潜り込む方法です。ジークを戦士にさせる際の手口と似ていますよね。カルヴィ元帥はこう言っていました。「幼子が親を売って示したその忠義 一度だって疑ったことは無い」(23巻93話)

 

さらに、以前ロープ兵はフクロウの人間だろうと考察していますが、彼は「西のラクア基地から招集を受け警備に参加している(25巻99話)」と言っています。これがどこまで本当かは分かりませんが、マガトはなぜ、敵襲があると想定されている現場の守備隊という重要なポジションの一角に外部の兵士を招集したのでしょう。彼が「使える柱」の一人だったから、という可能性が高いのではないでしょうか。

 


話を戻します。


タイバー家の動きは、現在のパラディ政権を悪役にして世界中を巻き込んでいく、というものです。これはエルディア人の立場がより危うくなる可能性を孕んでいます。タイバーの思惑通りになれば、パラディの敗戦はほぼ確実でしょう。ただでさえ国力の差が大きすぎるところに、他国の支援が加わるわけですから。さらに、エレンは名指しされている以上、処刑されることは必至です。そこで奇襲に一縷の望みを賭けるわけですが、それでも失敗の可能性はかなり大きいです。ジークは先述した通り、表立った協力はできないことが条件になるでしょう。


これは兵団が現在行っている作戦と合致するように見えます。


兵団は現場周辺の制圧、および周辺道路の封鎖によりマーレ軍を現場から排除しようとしています。さらに作戦前行動として、知性巨人の戦士たちを軟禁状態にしました。ジークを除いては。
戦鎚は当然、目下の敵ですから、叩く必要があります。しかし正体が不明だったので、他の戦士とは違い、炙り出してから無力化する必要があります。であれば、ヴィリー・タイバーを攻撃すれば良いのです。ヴィリーが戦鎚であれば、その時点で完了です。そうでなくとも、ヴィリーを殺害すれば出てくるのは推測できたでしょう。
その上で、”マーレ軍の指示によって”遅れて現場に現れたジークが、座標発動に力を貸すのです。計画通りならば、マーレ側には誰にも見られません。いずれにせよ、戦っているフリや、やられたフリをしながら発動してしまえば祖父母の安全は確保できます。

 


ところで、以前飛行船でアニを運んでくると予測をたてましたが、もしかするとこれも取引材料になっている可能性がありそうです。もし兵団側の作戦が失敗に終わったとしても、ジークはアニを取り返すために協力するフリをしていたということにできるからです。

 

というのも、アニ父の行動を見るに、どうも不自然な点があるのです。(25巻99話、25巻101話)

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このシーンから分かるのは、アニ父は少なくともこの4年間、戦士隊関連とは関わっていない、何らかの招待があっても全て参加していなかったことがわかります。熱心なライナー母とは対照的です。ところが今回、わざわざ出てきた上に、ライナー母を逃がしながらも自分は危険な現場付近に残っている可能性が高いのです。

 

つまり、アニ父はアニが戻ってくることを知らされていると思われるのです。アニを連れてくるという兵団側の作戦を話すからには、アニ父が仲間、たとえばフクロウの一員であるとか、もしくは上記のような保険になる理由が必須になります。マーレにリークされてはまずいですからね。

 

 


さて、ピークポッコの脱出によって、兵団の作戦は予定が狂っているのが現状です。ジークは見せかけの威嚇投石を繰り返しながら、状況を読みます。威嚇によって騙されたと激昂した兵団員が獣を攻撃しようとしますが、車力によって撃ち落されます。それを確認する獣(103話)

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ピークが自分の背後を守ろうとしていることを把握します。その後のポルコへの説明もマーレ側の戦術として正しい、正しいからこそ困るわけです。そこで動きを見せたわけです。ジークの言葉はこう解釈することができます。


「エレンは俺の敵じゃない」…(攻撃するフリを見せたが)俺は敵対するつもりはない
「時間がないんだろ」…時間がないぞ、リヴァイ。出てきて状況を動かすしかない

 

獣が倒されたことによって、ピークが想定していた布陣は崩されています。車力は残弾を気にしながら応戦をするほかなくなり、対アッカーマンとなればかなり不利な戦いを強いられることになります。兵団側からすれば各個撃破していけばよくなりました。

 

余談ですが、おそらくリヴァイの立ち位置は初期のエレンに対するものと似た感じで、ジークの監視と、もしジークに不穏な動きがあれば全力で殺しにいく、といった感じじゃないかと思います。

 

 


103話までの流れは、およそこんな感じではないでしょうか。ジャンが「時間」までに無力化しなくてはいけない対象に、投石のできる獣を含んでいなかったことも、これを後押ししています。


ただ、それほどすんなりとはいかないでしょうね。特に、座標の発動条件についてのエレンの推測は疑わしい点がいくつかありますので、そこが3年間で変わっていなければ、そのへんで苦労しそうな気がします。発動条件についてはまた別で考察していきたいと思います。

 

 

 

 

-おまけ-
ジークが抜け出しているのでは、という疑惑があるようなので、簡単に予想してみます。可能性はいくつかありまして、

 

1 斬られる瞬間、立体起動で抜け出した

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確かにこのシーン、上向きに噴射しているようにも見えますね。どちらにも見える、といった感じでしょうか。ジークの体が描写されてないことから、立体起動装置を身につけている、確かにあるかもしれませんね。


反論の余地としては、あれがジークだとするとリヴァイの軌道が無いこと、ピークが”たまたま”死角になっているようですが、その直前までの布陣を考えると、非常にタイミングがシビアですね。ジークとリヴァイに阿吽の呼吸とでも言うべき連携が必要になりそうです。そして、ジークにとっては見られるリスクが非常に高いです。

 

2 斬られる前、あるいは斬られてから(爆発までの間に)抜け出した。
超大型の爆発から斬られる前、あるいは、リヴァイが爆発直前に連れ出した、でもよいですが、やはり見られるリスクを解決できませんね。

 

3 本当に死んでる
リヴァイの一撃で即死、というケースですね。こちらは描写的には抜け出すより可能性があり得るんですが、リヴァイが雑魚になるという条件付きですね。先述した通り、リヴァイは死体の確認をしていませんので。
巨人化できる人間がなかなか死なないことを身に染みて知っているはずの彼が、ジークを引っ張り出して首をはねた上で爆破とか、手足を切って拘束とかしていないのはあまりに不自然ですよね。


というわけで私は4番の「水晶体」に賭けたいと思います。特に根拠はない、ただの予想でしかありませんが。
ジークは普通以上に巨人の力を使えますし、できてもおかしくないでしょう。雷槍も効きませんでしたので、あの爆弾も多分効かないでしょうし、なによりタイミングを合わせる必要が無いのが良いですね。

 

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございました。

written: 16th Mar 2018
updated: none