進撃の巨人を読み解く

進撃の巨人はSFを下敷きにしたヒューマンドラマだ・・と思う

002 最新話からの考察 102話② ヒィズル国

みなさんこんにちは。
前回に引き続き、最新話の状況を考察していきます。

現在の最新話である102話(別冊少年マガジン2018年3月号)までお読みの上でご覧ください。


前回は少し長くなってしまったので今回は簡潔に、同じく第3勢力であるヒィズル国を見ていきたいと思います。
今回は考察というよりは事実の確認といったところですね。


ネタばれ注意です。よろしくお願いします。

 

この記事は最新話である102話までのネタバレを含んでおります。さらに登場人物や現象についての言及などなど、あなたの読みたくないものが含まれている可能性があります。また、単なる個人による考察であり、これを読む読まないはあなた自身に委ねられています。その点を踏まえて、自己責任にて悔いのないご選択をしていただけますよう切にお願い申し上げます。あなたの選択とその結果に対して、当方は一切の責を負うものではありません。

※画像は全て 「進撃の巨人(諌山創著 講談社刊)」 より引用させていただき、個別に巻・話を表示しております。

 

 


[アズマビト・キヨミ(ヒィズル国)]

f:id:shingeki4946:20180221000700p:plain

24巻98話、ヴィリー劇場の前夜祭パーティ会場にて初登場したヒィズル国の人物、アズマビト・キヨミさん。
まだほとんど物語上に出てきていないのであまり情報がありませんが、今後かなり重要な人物になってくると予想されます。


現状分かる範囲で、東洋人自体と合わせて事実確認をしていきたいと思います。

①ヴィリー・タイバーによって、今回の宣戦布告劇場と前夜のパーティに招かれた。
②着物にワインをかけてしまったウドをエルディア人と知りながら責めることなく、他者から守る行動をとった。
③劇が始まる前に楽屋のヴィリーを訪れ会話、その後、観劇することなく会場を後にした。

そして東洋人について分かっていること・・
④パラディ島壁内で東洋人の血が入っているのはミカサのみの可能性が高い。
⑤もとは145代フリッツ王に付き従って壁内に来た可能性が高く、しかしながら王の方針に賛同しなかったため迫害を受けた。
⑥以前のエルディア復権派は当時東のマーレ敵対国に支援・亡命を呼びかける計画があった。

かつての「東のマーレ敵対国」というのが、イコール東洋、あるいはヒィズル国なのかは、今のところ明言はされていませんので確定することはできませんが、ヒィズルが少なくとも「東洋」と呼ばれる地域の一国であることは間違いなさそうです。
そして東洋人は⑤などを鑑みるに旧エルディア帝国の要人の一角であったと推測し得ますので、それに成り代わった体制である現在のマーレや、レイス朝パラディに良くない感情を抱いていてもおかしくありません。
そうなると自然と②や⑥に至る背景が想像できます。


それを踏まえて③を確認してみましょう。

①で明らかなように、ヒィズルの要人であるキヨミさん、あるいはアズマビト家はタイバー家と以前から親交があります。
パーティには先日まで戦争をしていた中東系と思わしき方々も来ていましたので、それは国家の敵対とかそういったこととは関係がありません。楽屋を訪れることができることからもそれは伺えます。

さて、やはり気になるのは「あなた方は勇敢です 我々の一族はよく知ってますもの」(25巻99話)というセリフですね。


どうとも受け取れるセリフなのが憎いところですが。
当然、素直に「私たちは以前から親交が深いので、タイバー家が勇敢な一族だと知っていますよ」というのもありえます。
ただ次のコマの、ヴィリーのなんとも言えない表情や、お付きの兵士の口もと、その後のキヨミさんの嘘くさい満面の笑み(失礼!)
を見ると、やはり裏の意味が主軸と考えてよさそうです。

 


東洋人と言えば、レイス王が記憶改竄できなかったことが思い出されます。
しかも旧エルディア帝国時代から王家と関わっていた節があります。
ということは、現在の作中でタイバー家と並び本当の歴史を知っている可能性が最も高い人々、と言って差し支えないでしょう。

 


もう一度セリフを読み返してみましょう。

「我々の一族はよく知ってますもの」

もはや違う意味にしか聞こえなくなってしまいました。聞くまでもない、という感じで会場を後にしてますし。


ただこれだけで単純にタイバーの敵だと断じてしまうのは性急であると思います。
例えばこんな取り方もできますので・・

-妄想-
ヒィズルはタイバー家のお目付け役的な立場にあり、今回の作戦を確実に遂行するよう念を押している。
当然ヴィリーが犠牲になることも織り込み済みですので、
「あなたはとても勇敢なのは分かってます(から、間違いない遂行を期待していますよ)」
「無事にお役目(使命を遂げること)を果たすことを祈っていますよ」
-妄想おわり-


とりあえず、現状で確と言えるのはこのへんまででしょうか。


ちなみに私個人の予想としては、ヒィズルはエレン達壁内勢と協力関係にあると思っています。
ただ現状では根拠が乏しいのであくまで予想の範疇ですね。
壁内勢が現在の作戦行動をとるにあたって最も必要なものは海上輸送力なんですが、現在登場している勢力でそれを賄えるのはヒィズルしかないなぁといった感じです。


最後に、少し気になる部分を3点ほどあげておきます。

1、ヴィリーとマガトの馬車内での密談シーン(25巻100話)

f:id:shingeki4946:20180221001405p:plain

この黒づくめはキヨミさんの従者(あるいは一族の者)と恰好が似通っています。
ヴィリーのセリフからも、「敵」であることを示唆するかのようです。


2、楽屋シーンのキヨミさんの服装(25巻99話)

f:id:shingeki4946:20180221001457p:plain

みなさんお気付きでしょうが、ご丁寧にスカーフらしきものまで巻いていてミカサの私服とかぶりまくってますね。
ミカサの場合はだいたい襟なしのカーディガンのような感じが多いですが。
白のアンサンブルにマフラーといえば、冒頭の「いってらっしゃい」がキヨミさんからエレン・クルーガーに言ってるのではないかという説がありますね。コレ、あるかもしれませんね。

ちなみにお付きの黒づくめ達は、外に出たらマフラーだかスカーフだかを巻いてます。
ちゃんと場をわきまえたんですね、礼儀正しいです。。。ではなく、
アスコットタイ好きな方は関係あったりするんですかね・・・
(黒づくめは下に普通のタイをしているはずなので、アスコットではないでしょうが)


3、「さて・・・行きましょうか」(25巻99話)
深読みしすぎにも思いますが・・・
このコマのキヨミさん、楽屋の時のわざとらしい程の笑顔とうってかわった素の表情を見ながらだと、「さあ、はじめましょうか」という風に聞こえて仕方ありません。
まずはレベリオの入口に向かって帰っていくと思いますが、あれ?入口に向かわされた人がいたような・・・

 

本日もご覧いただき、ありがとうございました。

written: 20th Feb 2018
updated: none